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姐さんは大丈夫だろうか
太宰さんや他の人たちにもしも手を出されたりしたら…
…いや、姐さんなら大丈夫だ
殺気から姐さんの事ばかり考えては心配をし、落ち着くという動作を繰り返している
ガチャッ
中島「…」
「…中島さん」
中島「…もう”敦君”とは呼んでくれないの?」
「私より年上だと聞きました、言葉遣いは気を付けなければいけませんので」
中島「…敦君でいいよ」
「そうですか?では」
暗い表情で近くの椅子に座る
それから少しおいて、私は疑問を聞いた
「鏡花ちゃんは無事ですか?」
中島「っ、」
瞬間、妬ましい念を込めて私を見る
普段の温厚な敦君からは想像ができないような怒りが目に見えた
中島「行方知れずだよ…君たちのせいで」
「”君たちのせいで”?…ははっ」
中島「何がおかしい!」
ガタンを音を立てて立ち上がる敦君は腕が半分だけ虎化していた
だが突きつけるような事はしてくることはなく、荒い息が耳に聞こえる
「では聞きます、如何して”君たちのせい”だと思うんですか?」
中島「…君たちが鏡花ちゃんを追い込んだ。あそこで鏡花ちゃんを取り返そうなんてしたから…!」
「では私からも言います、貴方があそこで素直に差し出せば事は早く済んだし、組合に会うことも無かった。私たちが追い込んだ?貴方が未熟だったのでしょう?」
中島「僕が何に(((「一つは」」
「鏡花ちゃんを助けずうつ伏せになったままでいたこと、貴方が早く動けばよかったし、鏡花ちゃんとともに逃げれたかもしれない、国木田さんが来た時貴方は普通に立ってましたよね?では何故姐さんに連れて行かれそうになった時立たなかったんですか?それは貴方が未熟だから」
敦君は何も言わずに虎化を解いた
顔は伏せていたせいで分からなかったが口惜しさ祖色が滲み出ていた
私はそれを冷めた目で見つめる
「自分の愚かさを他人の所為にするなんて、とんだ莫迦ですね」
中島「っ、…ああ、そうだ、僕は、最低だ…」
歯をギシリと強く嚙み合う
拳を強く握り逃げるように私の前からいなくなった
「…強く言いすぎましたか?」
太宰「そんなことないよ」
カーテンの影から静かに出てきた太宰さんを睨む
「趣味が悪すぎます、盗み聞き何て変態ですか」
太宰「そんな事言わないでおくれよ」
つかつかと靴を鳴らし乍ら先ほどまで敦君が座っていた椅子に腰かける
それから膝に肘を置き、手の甲に顎を乗せた
「姐さんは何方に?」
太宰「隣の医務室さ、心配ない」
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*憂鬱*(プロフ) - 天さんさん» コメント有難う御座います!面白いなんて言って頂けて光栄です( *´艸`)更新頑張ります!! (2016年12月24日 15時) (レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 最初から全部読みました!!すっごく面白いです!更新頑張ってください!! (2016年12月24日 4時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
*憂鬱*(プロフ) - 白兎@執筆準備期間中さん» コメント有難う御座います!そう言って頂けて幸いです(*´ω`*)更新頑張らせて頂きます!ご贔屓宜しくお願い致しますm(__)m (2016年12月10日 13時) (レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
白兎@執筆準備期間中 - 一話から読ませていただきました(*^-^*) とても面白くて夢主ちゃんが可愛くて大好きです! 応援しています、これからも更新頑張って下さい! (2016年12月10日 1時) (レス) id: b4bc07280a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*憂鬱* x他3人 | 作成日時:2016年12月9日 23時