59 ページ13
「街がどんどん壊れてく…」
中原「…」
点々と煙が上がり始めて数十分がたった
綺麗だった街が少しずつ壊れていくのに悲しみを感じつつも仕方ないと割り切った
自分の部屋を歩き回って物に触り、気を紛らわせては窓を見るの繰り返しだ
それを心配そうに見る中原さんは携帯を見ては連絡を待っている
指示が出た時にすぐに動けるように構えていた
「…ぁ」
ぽそっとある物が手に触れる
前にもらったスカイブルーのペンダントがふと心に留まる
かつての恩人が初めて私にくれたものだった
付けるのも申し訳なく保管し続けていた
私はそれを触ってなぞってみる
綺麗な色が光に反射して眩しく見えた
「…」
私は少し躊躇い乍らもそれを襟に通してみた
胸元のペンダントが変わらず誇らしげに光っている
(そういえば今の太宰さん、これに似た物…)
そんなことを思いながら目を外に外した
港側にパトカーが向かっているのが見えた
中原「…げ、それなんだ？」
「これですか？てか『げ』って」
明らかに嫌そうな顔をして私の胸元のペンダントを凝視する
そんなに嫌いか、そうだろうけど
「初めて太宰さんから貰った物です、着けるのが申し訳なくて保管してました」
中原「最悪の上司から貰った物を取って置くお前も甘い性格だな」
「そうですかね」
苦笑いを溢す
中原さんはあからさまに眉間に皺を寄せる
「それでも恩人なんです、私はあの人に感謝しなければいけないところだってあるから…」
私がそういうと中原さんは少し暗い顔をして「そうかよ」と言った
それから窓の外を眺め始めた
中原「…お前がどう思おうがいいけどよ、彼奴はすでに敵だ。情は掛けるなよ」
「掛けるほどの人でもないでしょう」
中原「ハハッ、そうだなァ」
中原さんは携帯を見て「任務だ」と言って扉に向かった
「いってらっしゃい」
中原「！！ おう！
ニカッっと歯を見せて部屋を出て行った
私はその背中を見てからもう何回目か窓を見やった
「…如何か無事で」
指を組み、皆さんの無事を祈りながらパソコンを開いた
確かに今回の件は関わらないとは言ってけど
「情報くらいは貰いますよ、太宰さん？」
そう呟いて妖しく笑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊憂鬱＊(プロフ) - 天さんさん» コメント有難う御座います！面白いなんて言って頂けて光栄です( *´艸｀)更新頑張ります！！ (2016年12月24日 15時) (
レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 最初から全部読みました！！すっごく面白いです！更新頑張ってください！！ (2016年12月24日 4時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
＊憂鬱＊(プロフ) - 白兎＠執筆準備期間中さん» コメント有難う御座います！そう言って頂けて幸いです(*´ω｀*)更新頑張らせて頂きます！ご贔屓宜しくお願い致しますm(__)m (2016年12月10日 13時) (レス) id: fbd96ddd79 (このIDを非表示/違反報告)
白兎＠執筆準備期間中 - 一話から読ませていただきました(*^-^*) とても面白くて夢主ちゃんが可愛くて大好きです! 応援しています、これからも更新頑張って下さい! (2016年12月10日 1時) (レス) id: b4bc07280a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊憂鬱＊ x他3人 | 作成日時：2016年12月9日 23時
