The invisible story 3 (ページ10)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:29,029 hit

第103話ページ10

何も知らないままに、僕は物語の中を進み続ける

次の週末舞台だから放課後は舞台の練習のために魔法の鏡を抜ける

テスト前もこういう日が多くて、今回のテストであまり振るえなかったのはそこかなと少し反省する

因みに週末までは今日から「あと3日」以上ある

この意味を理解できるのはきっと、未来を知っている誰かだけであろう

マネ「…おー、テストどうだった？」

『…学年の真ん中らへんでした

なんか皆よくできる子ばかりみたいで…』

マネ「…ほう？

初めてだな、そんなの

まぁ良い、舞台が学園生活の支障になるなら考えるぜ

学生生活を満喫するのが本来のお前の仕事だしな」

『…』

どうしようかな

テストの点自体は98点、96点、100点、97点、94点と悪くないはず

でも満点の人がやけに多かったお陰で僕は目立てない

周りが僕を「普通」にしている

そんな感じがする雰囲気に僕は慣れなくて、これは僕が頑張らなければならないのか周りがどう頑張ったって強いんだから僕は僕のスタンスで進めば良いのか分からない

『…とりあえず週末の舞台は出ますし、仕事を疎かにする気もありません

勉強にも専念はしているつもりです』

マネ「…まぁ点自体は悪くないからな…

普通じゃない自分はもう嫌いにならないのか？」

『…良いです、奇人に囲まれて何だかんだでやれているので』

マネ「そうか

少し変わったな、楽に生きられるようになってきたのか？」

『…』

それはどうだろう

そもそも昔から苦労してるってあまり感じていないから、普通がどうとか生きづらいとか幸せとかそんなの分からない

そりゃ、少しは思い通りにならなかったり理不尽に怒られたりして嫌な気分はしてるけど

でも総合的に考えて「何も起きていない」し「普通」だ

少なくとも、自分の中では

『…レッスン、お願いします』

マネ「おう

お前そーいや学園のホリデーはどうするよ？

丁度仕事ないだろ？親御さんにそろそろ会うか？」

『…』

いや、まだやめておく

もう少し頑張ってから

甘えると何だか自分がダメになっていく気がする

『…今回はやめにします

もう少し自分を見つめたいんで』

マネ「なら俺の家に来るか？

どうするか決まったら連絡するんだぞ」

『…考えます』

僕は適当にそう答えて、今は週末の舞台に備える事にした