The invisible story 3 (ページ3)

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第96話ページ3

ヴィルside

ヴィル「演劇を見に行く…？」

ルーク「今の彼を素直に認めてあげるのさ

今の彼は昔の自分を捨てて、より強く美しくなっている

その彼を認めてあげて、素直な感想を彼に伝えてあげるんだ

彼はもう大人になりかけているんだ、そんな大人の彼を認めてあげられないかい？

君がもし彼を大切に思っている先輩だと言うのなら」

ヴィル「…」

まぁ、それもそうかもしれないわね

アタシが先輩だからって後輩が何でも思い通りになると思ってはいけない

アタシも大人になってあげないといけないのは分かる

でも、そういうのって嫌ね

本当は純粋に仲良くしていたいわよ

我慢だってしたくない

でも、そんな事を繰り返していけば余計に関係が悪化するのは明白ね

今は少し真面目にあの子の事を考えてあげる事にするわ

不必要に手を出されるのが嫌なら、何も言わずに側から見守る

あの子が助けを求めているなら手を貸す

あの子を認める

それしかできないなら、そうするしかないのよね

でも言いたい事は言わせてもらうわ

ヴィル「…観客としての率直な意見はあの子に言うわ

認めているからこそ自分の意見を曲げる気もないのよ、アタシはね」

ルーク「…お互いに難儀だね…

でも君はそれで良いと思うさ、彼も君が変わる事を望んでいない」

ヴィル「どうして？」

ルーク「君が気を遣って自分がそうさせたと知れば余計に傷付くだろう？

彼も難しい性格をしているんだよ、他人の不幸を誰より本当は嫌っているのさ」

ヴィル「…」

そんなのどうしたら良いのかしらね

難しい問題だってのは分かるわ

焦るべきでない事も

ルーク「…ところで一つ聞きたいのだけれどね…

君はどうして突然そんな事を言い出したんだい？

君らしくもないじゃないか、無理に人の事情を詮索するだなんて…」

ヴィル「…」

アタシもそう思うわ

ジェイド、貴方はアタシに何をさせたかったの？

何で突然あんな事を言い始めたの？

ヴィル「…アタシにも分からないの

でも…あの子があまりにも軽くて、普通に心配になったの

何かあるんじゃないかって…」

ルーク「それなら素直にそう言えば良いと思うよ

きっと彼も事情が分かれば和解してくれるはずさ」

ルークはそう言って、明日の朝ルークが立ち会っている中で改めて話をするようにアタシに勧めてきた