The invisible story 2 (ページ36)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:48,070 hit

第80話ページ36

ジェイドside

ジェイド「では少し行ってきますね」

アズール「…任せましたよ」

そう言われてまずはAさんを抱えて所謂「お姫様抱っこ」の状態にします

なんて軽いのでしょう

フロイドが先程「あまりに痩せている」と言っていましたが、まさかここまで軽いとは

…いや、少し軽過ぎます

モデルをやっているにしたって、この身体では体力が保たないでしょう

何かきっとあるような予感に、一度僕は彼を下ろします

フロイド「…？ジェイド、どうかした？」

ジェイド「…フロイド、少し謝っておきますね」

フロイド「何が？」

僕はフロイドに構う事なく、Aさんのシャツを勢い良く捲ります

フロイド「…！？…ジェイド、何してんの？」

ジェイド「…！！」

そして気が付きます

彼の身体に何かで切りつけられたような跡が残っている事に

ジェイド「…フロイド」

僕はそれをフロイドに見せます

何をしているのかと思ったのかアズールも近付いてきます

フロイド「…！！…何これ」

アズール「…写真に写る際は光の影響で傷跡が見えないようですね

しかし…これは一体どういう事です？」

ジェイド「…分かりません

ですが彼の中にきっと触れてはいけない部分がある事は間違いありません」

えぇ、先程から少しは思っていたんです

彼のあの受け答え

彼は先程僕のユニーク魔法で本音を話す時、かつてのような純粋さが消えて他人に対して強い敵意を示すような返しで僕にああ言っていました

あの少し他人に対して嫌悪感を抱いている様子が本来の彼の姿であるとすれば、彼は何かしら他人を信じられない影のような部分を抱いていると僕はあの時判断していたんです

だから彼の中身を見るような目で見たのですが、彼はそれに恐怖心を抱いてしまったようですね

少しやり方をこれから改める必要がありそうです

貴方の中に、一体何が眠っていますか？

アズール「…ジェイド、シャツを戻して差し上げなさい」

僕はアズールに言われて、捲りあげたシャツを丁寧に戻して差し上げていました