Verweile doch, du bist so schoen 7 (ページ10)

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第290話ページ10

一郎side

零「そいつは人間同士の争いに首を突っ込んだって訳

自分と同じ種族なのに、自分と同じとは捉えなかったんだ

自分と違って、生きるためだけに遺伝子もらってるだけの、文字通り生きているだけで何もしない種族になっちまってたからねぇ」

一「…」

零「…で、戦いしかしないで何にも貢献しやしないそいつを同じものとは捉えなかった

そして自由な種族だ、自由な戦いを止めるだけ止めたら無責任で後は自分でどうにかしろってんだ

どうやって生きれば良いのか知らない奴に、生き方を教えてやらないで自分でどうにかしろなんて冷たいだろ？

でも本当に大昔はそんな感じだったの、種族の淘汰ってこうやって起こるのよ」

一「…」

零「…で、放っておかれた元人間の魔族は人間のいる世界を戻す事に努めた

それで、大陸にいる人間を招待したんだ

これが魔族集会の本当の始まりね

今はなんか面白いから俺がたまに開いてるけど、元々はこういう悲しい話のもとに成り立ってるのよ」

乱「…知っててやってるから碌でもないよな

お前人間の歴史馬鹿にしてんだろ」

零「そんな事ないさ、歴史を受け継ぐのは大切な事だろ？

それに楽しく受け継ぐ方が死んだ奴らも報われると思わないかい？」

乱「…むぅ…」

寂「…まぁ、良いです

続けてください」

零「…でね、そうやって人間は少しずつ大陸に戻ってきた

この頃は人類史も発展し始めててね…人間が自分を生き延びさせる知識を身につけていたの

そして自然環境さえ整えば人間は生き延びられると知った

だから自然の眷属になるのを選んだ元人間の魔族が増える

この辺から自然接続と密接な魔族が増える、純血の魔族にもそういうのはいるけど、こっちは後天性って言えば良いかな？

そしてしばらくはまたうまくやってたよ、一部の狭い世界の人間が狭い世界に閉じこもってうまく身を守ってたの」

俺は黙って親父の話を聞き続けていた