Verweile doch, du bist so schoen 7 (ページ22)

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第302話ページ22

一郎side

一「…親父、なら何であの国では熱病が…？

親父が牛耳ってたんだろ、魔法協会って…」

零「そうだよ、あそこに戦争で使われるような危険な技術は集約してる

パンドラの箱みたいな場所だ、負の遺産の墓場とも言っていいかもね」

一「なら、そこから病気を持ち出すのはルールに違反して…」

零「してるよ

でもそれをルール違反に思ってない奴が1人いた

さっき言った人間の女の1人だ

名前は乙統女ちゃん、人間で、あの国出身のお嬢さんだ

子供が1人いる、んで、子供のためにも未来ある世界を求めているんだ

この国がこんなしょうもない世界である事を嘆いて、それをどうにか変えたくて禁忌に触れちまったんだ

それで狂うって知っていながら、手を伸ばしちまったらいけないものを開けちまった」

一「…人間の味方をする立場だってんなら、人間止めるためにそれも止めてやれば良かっただろ！？

何でそこは認めたんだよ、なぁ！？」

零「…止めて何になる？俺らが上に立つ時代は終わった

俺らが上に立って歴史繰り返して、種族の数を減らすのか？

この世界は今や俺らにとってそこまで優しくはねぇの、世界中全体が、ね

国に限った話じゃないんだよ」

一「…ッ…！！」

零「因縁を深めないために今残されてる手段は俺らが逃げる事

つまり距離を置いて、俺らがひっそり暮らす事でしか俺らは守れねぇの

守られる事を嫌う種族とはいえ、周りが俺らに敵う力でねじ伏せるなら壁を作って外敵から身を守るのは普通だろ？

大きな争いは起こっていないかもしれないがねぇ、この世の中はいつだって戦場だ

一時も安心してなんか暮らせねぇ

守られる相手がいないなら自分でどうにかするより他にないの」

一「…ッ…！！」

俺はその言葉に心を抉られつつ、冷静に思考を繰り返していた