Verweile doch, du bist so schoen 7 (ページ17)

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第297話ページ17

一郎side

零「まぁ俺の話は良いよ

んで、この国の最近の流れについて話を進めるが…さっき言った100年くらい前に起きた魔法戦争でこの国は魔法を恐れ始めた

だからこの国は魔法を手に入れる反面、魔法を淘汰するために剣を持つ人間も増える事になる

魔法って自分の身体そのものが武器になるような現象でねぇ…使い過ぎると自分が暴力の権化になっちまうんだよ

そうして治安が脅かされると、それを淘汰するための剣がまともな権力になってくるんだ

つまり武力行使は仕方ねぇって話になってくる」

一「…」

零「世界全体は逆に治安維持のための最終兵器は魔法にするって話に落ち着くんだ

武器が殺すための手段なら、争いは死なない手法でって話に落ち着いてくるの

それでその争いがだんだん高度になっていって、争いの中からベストな選択が取れる様に知識も技術も発展していく

そしてその指標に金や権力が生まれるようになって、格差は生まれるが全体主義的な世界ができて個は全体を動かすための歯車になる

これはうまくいってる証拠でもあるにはあるんだ、苦しいけど」

一「…」

零「…で、その格差を嫌う人間は誰を恨むって、争いを生み出す要因そのものを憎む

つまり争いを生むのは進化そのものだって、原点回帰すれば争いは消えるって、自然に帰着する考えにこの国の人間は至る

それがこの国が発展途上国のままの原因だ

豊かにならないのもそれが理由

食っていくのにやっとってのはそれが原因、分かる？」

左「…」

零「でも人間はちぃとばかし馬鹿でねぇ…ただの石ころ風情に綺麗だ何だって価値生み出して、それを金に変えるってことを学びやがる

すると大して力にならないものがだんだん自分を生かすための手法になる

それがこの国で永久氷晶を商品にする理由でもあるねぇ

魔族の生み出す自然現象の産物すら人間は売り物にするんだ

だから人間は魔族が生み出すものを利用して自分を生かすために、魔族がこの世にいないのは嫌がる

そして思い通りにいかない魔族を嫌って、思い通りにするために何故か魔族と戦う事を選ぶ

なかなか分かり合えるものじゃないだろ？」

左「…」

左馬刻は静かに、そして暗い顔をしてこの話を聞いているように思えた