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第399話 ページ10

零side


零「それで?中王区がこうなった理由聞いても良い?」


乙「はい…全ての誤りはおそらく私達がクーデターを起こした際に男性を拒絶し戦争の撤廃を求めて行動を起こした事に原因があるように思います

無花果は私の起こしたクーデターに対して否定はしなかったんです

ですがおそらく無花果の理想とする世界と私の理想とする世界には大きな違いがあったみたいですね」


そう言うと乙統女はこれまでの中王区の行政がいかにして行われていたのか聞いた


零「乙統女の指示以外はむしろ中王区の人間の動きを抑制してたかもしれない?」


乙「はい…無花果は警視総監も兼任しているため行政の方はほぼ手をつけるのが困難だったはずなんです

ですが彼女が直接手を下す時は他の行政監査局が何か男達に処遇を与えようとして代わりに自分が動く事が多かったんです

…私も今気付きましたが」


乙統女から話を聞いていて分かった事がある


無花果の奴は政権No.2だから乙統女の命令には基本逆らえない


だが乙統女の指示を除けば好き勝手にやれる


あいつまさかわざと好き勝手やっといて中王区の他の連中止めてたつもりなのか?


他の中王区の連中が好き勝手やって男達に嫌な思いさせないように仕向けていたのか?


そんな気すらしてしまう


零「…乙統女ちゃん、飴村乱数の完成品に無花果が直接会って話した事は?」


乙「…オリジナルは無花果が個人的に管理しており、完成品にしろオリジナルの失敗作にしろ電話でのやり取りが多かったものと思われます

直接会って話をしていたのはおそらくオリジナルのみです」


零「あん…?」


無花果の奴、まさか飴村乱数君の成功品ができた後失敗作が処分される未来を見抜いてわざと自分の手元に置いたのか?


まさか無花果の奴、中王区のやり方に唯一納得してなかった人間なのか?


零「…無花果の奴、言の葉党の中で唯一まともだった人間なのか

他の連中は天然の狂人ばっかりだったって事だな」


乙「…かもしれませんね」


俺は乙統女との会話をもうしばらく交わした後、まだ病室にいる無花果の元に向かうために乙統女のいる部屋を出て行った

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作者名:ユウ | 作成日時:2020年6月9日 20時

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