第194話 ページ49
『…っ、何だよ、突然…』
左「そうか…お前、俺が女に囲まれてるの見て劣等感感じてたんだな」
劣等感?
左「お前、俺が女どもに囲まれてるの見て少しは嫌だって思ってくれたって事だろ?
俺はそれがすげぇ嬉しいんだわ」
確かに碧棺左馬刻は何やらやけに機嫌が良い
どうして機嫌が良いのかは全く理解ができない
左「俺、お前が嫉妬もしねぇし俺に対して無関心なのかなってずっと思ってた
お前がまともに人間らしい感情抱いてくれてすげぇ嬉しいんだよ
俺がお前に必要な存在だって少しは思ってもらえてるって事だろ?」
言われてみて少し考える
確かに俺にとってもう碧棺左馬刻はなくてはいけない存在なのかもしれない
だからこそ碧棺左馬刻が女性と一緒にいるのを見て少しだけ心を痛めた
あれが本来あるべき姿なのに、ああなってほしくはないと思ってしまっている自分がいるから
そんな自分を本当は認めたくないのに
碧棺左馬刻に迷惑をかけたくないし、わがまま言ってはいけないと思うのに
左「俺はお前からは絶対離れていかねぇ
俺がお前にとって必要な存在なら絶対お前の側から離れたりなんかしねぇ
もちろん俺がお前の事を離す気もねぇ
…お前も、俺の気持ち少し分かってきたんじゃねぇか?」
俺が碧棺左馬刻の気持ちが分かってきたか?
それは、どういう
『…あ…』
いや、少しだけ分かった気がする
逆の立場で考えてみれば分かる
碧棺左馬刻が俺から離れて行くなとあれほど言ってくる理由
俺に好きだと言って離さないと言ってくる理由
碧棺左馬刻は、俺がいない状況をよく思っていない
もし俺がいなくなれば俺がそうだったように心を痛めてしまうのか
それが今になって、ようやく理解できる
この感情の名は−−−−
『…少しだけ、分かった気がする
…俺、きっとお前の事好きなんだ』
もう俺は碧棺左馬刻なしに生きて行く未来を考える事ができない
好きだから
愛しているからだけでなく、必要不可欠だから
俺は、もう−−−−
左「…俺も好きだ
一生離してやらないし離れてやらねぇ
ずっと一緒にいような」
碧棺左馬刻はそう言って俺に優しく笑いかけてくれた
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年5月24日 16時