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第176話 ページ31
左馬刻side
俺はこの世の不平等を誰よりも理解している
生きたかった者はある日突然誰かに命を奪われて、死んでいた人間はある日誰かの手によって無理やり復活を遂げさせられる
そんな歪んだ世界を俺は絶対に認めたくない
認めたくないけどそれを受け入れない限りは俺らはこの世界で生きていけない
だから俺はこの歪んだ世界をぶっ壊して作り直す
中王区の連中を打倒して、もう奴らの好き勝手にこの世界を翻弄させないようにするために
一郎のダボとはその目的が同じだけど、俺はその先に待つ世界が一郎が思う世界にならない事を知っている
人は争いを好み、そして何かを目的として時には命まで賭けて勝敗を決めて、そして誰かの理想が叶った世界こそが今あるこの世界の形に他ならない
大切なものを守りたければ俺らは常に戦いを強いられる
争いのない世界なんてありえない
それを辛いと思うあいつの気持ちが分からない訳ではないけど、俺はあいつらに現実ってもんを見せつけてやる
一郎のダボに、そして俺の愛しい恋人に対して、その上で正しく生きるとは何なのかを教えてやる
そしてその現実を受け入れて生きるのに俺が必要なら俺は手を差し伸べ続けてやる
愛しい恋人を救うため、そしてかつて溺愛した俺の後輩を救ってやるために
そして
俺が救ってやれなかった大切な妹の事を思い続けるために
この声が世界の壁を越えてお前ら全員に届くように
俺は今、ヒプノシスマイクを通して俺の想いをお前ら全員に伝わるまで叫び続ける−−−−
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作者名：ユウ | 作成日時：2020年5月24日 16時
