ウチとアンタと、キミの言の葉10

第402話 ページ32

絶えずウチを変えていく世の中で、ウチだけはウチらしく正しく生きていく事


それは確かに偉業や思うけど、実際はウチをとても疲弊させて貫くんは割と難しくて、他人の力なしには結局成り立たないもんや


それを分かっているから、色んなもんをこの目で見てウチの体験から世界を知っていくんや


それを人間の人生と言の葉で定義するんなら、世界は言の葉で溢れていて世の中は面白い


これからもきっとウチは、溢れる想いを言の葉に乗せて、自分の心で体感した全てを語る


『トロッとしててええな

確かにこっちのが食べやすいかもしれんわ』


盧「…美味いか？」


『うん、多分』


盧「…多分、か」


『ごめん、なんか舌鈍っててな

食感と「これが美味いもんや」ってのは分かっとるんやけど』


簓「…本調子になったらお好み焼きでも行くか」


『…は？』


簓「覚えとる？昔俺らでお好み焼き食べに行った後で俺の家でタコパした事あるやろ？

その時Aが言うたあの台詞…」


この後のウチの人生、誰かの想像に任せて語らせるなんて真似はウチはしない


ウチの人生、ウチの物語はウチ以外の誰かに語れるもんと違うと思うから


せやからこれから続く長い物語は、「読者の皆様にお任せする」なんていい加減に濁さない


だけど今はきっとウチはこう言うんや


「それはまた別の話やから、いつか時が整ったらゆっくり伝える」って


『…よう覚えとるな

確かに盧笙にウチ突っ込まれたけど』


簓「俺が天才って褒めたんは覚えとる？」


『…はて、どやろか』


簓「ガビーン」


盧「…折角2つ別のもんとして存在しとるんに混ぜたらあかんやろ

個性が潰れるで」


『…確かにな

でもタコ焼きに明太子とチーズとお餅入れたら美味いやん？』


盧「…邪道やけどな

ちゅーかお前その味は分かるん？」


『分かるって言うか、雰囲気が一番に美味いやん

ほとんど味なんかせぇへんやろ、明太子以外刺激物あらんのに』


簓「Aちゃん、刺激物で味感じとるん？」


『え？せやな』


簓「…舌鈍いんのそのせいやない？」


『…マジ？』


ウチの物語はまだこれから続く


本当のハッピーエンドに向けて、まだ終わる事のない時間を今後も彩っていってウチはまた歩く−−−−

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