第383話 ページ13
盧笙side
簓にだけええ所持ってかれるんも何となく自分の中で釈然とせぇへんし、俺が待っとる間に起きた話も聞いてもらえればええな思う
俺はよう分からん事言いよる簓を見送って、自分は眠るAを見守って愚直に何もせんと待ち続けていた
簓に何か考えがある事が分かっても、色々聞いても俺にはよう分からんしできへん事やって現実的な部分にだけ目を向けて、所詮は何もしてないやん言われても否定はせんでいてやる
でも、目にかけて自分で見守る事も悪い事やないって俺は思うんや
盧「…！」
そない心のままAを見ていれば、突然Aは息を苦しそうにしよる
元々心拍数の状況は悪い方やったんは否めないけど、もっと悪うなるような状況に俺も戦慄する
盧「…ッ…A！！」
つい呼び声を聞かせて、勝手に行くなと自分の気持ちを聞かせる
盧「…ッ…まだ逝くんやないよ…！！
死ぬんやない、この阿呆…！！」
こういう時に優しく言葉をかけてやれる程俺もようできてない、なんて後の話やから思える事で、その時は俺の気持ちも冷静でいられんかったからついそない言葉を言うたんや
でも手は握って、絶対に離さないって自分で決めて、Aを思う心を自分で忘れた覚えもまるでない
多分俺やないとそない事は分からんねやけど、それが伝わればええなって思える
盧「…！！」
そして一瞬の出来事に、Aのおる部屋には停止音に近しい長たらしい機械音が鳴り響く
盧「…間に合わなかったん…？」
もう終わりか、なんて勝手に諦めが突っ走って、俺は愕然と自分をネガティブで装う
けどそれは単なる早とちりやったみたいに、まるで何事もなかったかのように次の瞬間に奇跡は起こる
『…うぅん…』
盧「…？」
『…盧笙…
…簓、どこにおるん？』
眠りから覚めないその女は、まるで自分が生きている事を証明するみたいに言の葉を紡いで来る
それが奇跡か、最期になるから何かを伝えたいと思ったんかは俺にも結局は分からへん
この後俺の期待をある意味でええ方に裏切るんがこの女のやるタチの悪い事やったから
『…うぅ…
…ん…』
女は言の葉をそれだけ紡ぐと、まるで眠りに戻るかのように静かになって、そして今度は規則正しい呼吸をし始めていた
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ユウ(プロフ) - 明理様、最後までお読みいただきありがとうございます！楽しんでいただけたなら作者も大変嬉しい限りです。また参考になるコメントありがとうございます、関東人のため関西弁はにわかな部分がありましたが、今後参考にさせていただきます！ (10月30日 6時) (
レス) id: 3f8aedc7a7 (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - (つい長くなってしもてすんません)※この関西弁は標準語がヘタ故の訛りです。 (10月28日 17時) (レス) @page34 id: 0478fb4462 (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - 永遠のお気に入りです！！楽しい物語をありがとうございました！！！(あと思ったんですけど「何なんの？」じゃなくて「なんなん？」を私の周りの人は使います。アドバイスって言うよりちょっとした意見です。ありがとうございました！！) (10月28日 17時) (レス) @page34 id: 0478fb4462 (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - 長いのにちゃんと完結してるし綺麗で無駄のない文章やし…もう大好きです！！！何回か読み返す気がします…予想は100回()ここまでツイステとヒプマイとオリジナルストーリーが混ざってるのはほんとに珍しいですよ！ (10月28日 17時) (レス) @page34 id: 0478fb4462 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ねぎ。さん» ねぎ。様、コメントありがとうございます！楽しんでいただけて作者も嬉しいです。 (2022年3月12日 8時) (レス) id: 68f0716fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年9月12日 11時
