ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ42)

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第364話ページ42

簓「…違うんよ

お前がおらんかったら俺は生きていられん」

『…』

簓「依存しとるんやない

お前のおらん世界で俺は成り立たんねや」

『…何言うてるん

盧笙もおるやろ、簓にウチは別に必要なパーツやないわ』

簓「だから違うんよ

…俺が盧笙に出会ったんはお前の影を追ってたからや」

『…？』

簓「お前に分かるように言うんねやったら、俺はずっとお前の影を追うてたんや思う

盧笙と出会った時、その時は気付いてへんかったけどお前と盧笙がよう似とる思たから嵌ったんよ

きっとずっと、自分の片割れを追うてお前によう似た影を見つけ出していた

…お前以外にお前に代わる存在なんておる訳ないんに、間違った事ばっかりして大事なもんに気付けなかったんは俺の悪い所や」

『…そんなん、盧笙と簓が巡り会ったんは簓が自分で手に入れたからやろ

ウチとは何も関係あらへんわ、変な事言わんといて』

簓「Aちゃん、あの日の事気負っとるからそない事言うん？」

『…！』

簓「…それでお前が離れる原因になる言うんなら俺はそれを否定して消したる

あれはAが原因やないよ、オトンとオカンの悪い事や」

ウチを見透かされているような発言にウチもつい気を奪われる

さっきも少し思たけど、何で簓がそない事分かるんや

ウチが今まで隠し通して来た、ウチという人間の正体の話なんに

簓「俺はお前が原因で不幸になったなんて一度も思た事ない

むしろお前がおったから俺は幸せやったんや、それは分かって」

『…嘘言わんときや

ウチがおるから邪魔になるだけやろ、せやから道は譲るから1人で帰り』

簓「嫌や

お前の言う通り俺の好きなもんと生きてくから、お前かて道連れにさせてや

俺の幸せにお前は必要不可欠なん、分かって」

簓はそない身勝手な我儘を言いよる

それが原因でウチが今までこない風にして生きて来たんやから、それをなかった事にされてまうとホンマにウチが成り立たへんくなる

なのにそない顔と言葉を使われて、ウチかて消されとうないんにどうすればええんや

道を譲るから、ウチの事を消してなかった事にしないで

簓「…なぁ、そんなにアカンの？

何が悪いんや？俺が自由で我儘やったから？

だったら治すから、なぁ…」

ウチは自分の消失を頭に感じて、それでもそれに対抗するように本心を吐露する真似を止める事はできなかった