ウチとアンタと、キミの言の葉9 (ページ37)

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第359話ページ37

何となく、何かが変わったという事が分かっても何か明確に景色が変貌したとかそない変化はない

だけど何となく、感覚の問題として「自分以外の因子」の何かしらが突然ガラリと変わったような感覚に襲われる

簓「…？」

何となくそない違和感を覚えて、部屋をつい見回してAを腕に抱いたまま変化の正体を追う

けどやっぱり何が起きたんか分からないまま、単なる一瞬の気の違いか何かやと思てまた流してしまおうとする自分がいる

簓「…何やろね

まぁええわ、Aちゃん、ねぇ、帰ろう…」

そう言いかけて起きない妹に振り返る次の瞬間－－－－

『…うぅん…』

簓「…！！」

『…暑い

寝苦しい…身動き取れへん

…何なんの…？』

ふと自分の腕の中にいた妹は身動きを取り始めて、眉間に皺を寄せてだんだん眠りから覚めていく

簓「…Aちゃん…？」

『…おん…？』

目覚めがあまりようあらんのか、まだ俺をちゃんとは捉えてへんような厳しい目つきでAは俺を見よる

見よる、言うよりはこの姿勢やから俺の声がする方向を単に向いただけやって言う方が正しいかもしれへんけど

簓「…目、開けたんか

おはようAちゃん、調子はどない？」

『…は…？』

そしてこの場に俺がおるんにようやく気付いたんか、いつものあのいけずな妹がここに帰ってくる

息の吸える、呼吸が俺とこいつで合う感覚を俺は取り返していく

『…何でここに簓がおるん…？』

簓「…怖いもん見るような顔せんといてや

このやり取りついでに2回目やで？迎えに来たって言うたよ、さっきも」

『…は…？

…キモいわ、ちゅーかその腕離してや

動けへんねんけど』

簓「嫌やよ

今日の簓君は非常にご機嫌ナナメなんですぅ、さて何ででしょう？」

『…知らんわ

離せ、このセクハラ兄貴…！！』

相変わらずの態度でAは俺から逃れようと必死に藻搔いて、そない態度にどこかまた愛らしさを覚えていた