第349話 ページ27
戦う準備は整えとるから、俺を止めるもんがおるんやったら喧嘩だってするって決める
そない子供みたいな思考で、ただ自分の失えないものを手に入れるために目的の場所へ向かう
考えにあった通り、Aのおる保健室の前では誰かが見張り人のように立っていた
オルト「…!お兄さん、ダメだよ!
ここは立ち入り禁止だから」
簓「…すまんな、聞けへんよ」
オルト「…!」
簓「…行かしてもらうで」
邪魔は振り切って、度胸と覚悟を一生分使うように心にあるセキュリティを解除して全力で突っ走っていく
扉を開けて、俺を敵に見做した機械仕掛けの兄ちゃんの止めを俺で振り切って前に進んで
オルト「…!
侵入者を確認、敵対勢力を排除します」
簓「…マイクが効くんかは分からんけどいざってなるんなら俺かて戦うよ
妹は誰にも与えてやれへん」
オルト「魔導エネルギー、充填開始
対象へ発射まで残り40%…」
簓「…すまんな、相手にしてやれへんわ
俺は行くで」
ドォンッ!!
扉を蹴破るようにして開けて、そこに穏やかな白い眠りの空間があるのに気付く
例えるなら生と死の狭間のような、もうなんぼも見覚えのある病院のような部屋や
クルーウェル「…!お前は…」
簓「…妹連れて帰るわ
色々迷惑かけて悪かったな、もう俺がここからは面倒見るから手引いてええで」
昔オトンに言うたような言の葉を使って俺はまたあの日と同じように悪役(ヴィラン)になる
俺が仮に倒されるのならそこにおる俺の妹は道連れにして、囚われたお嬢様も我儘に縛り上げるだけの本当の悪役(ヴィラン)になって、俺の日常を取り返すための戦いをここで繰り広げる
クルーウェル「…確かに色々と都合は良くはないが…
お前とこの仔犬の関係性が分からないままで、あけすけと生徒1人の身柄を明け渡す事ができる程俺も教師として根から腐敗しているつもりはない」
簓「…手厳しいな
盧笙によう似とるわ、Aが気に入る理由もよう分かる気がするで」
クルーウェル「…?」
簓「…まぁどうでもええよ
ほんなら物理で奪うだけや」
そない言うて啖呵を切っては、俺は飛びつくように妹を再びその腕に抱き上げていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年9月5日 20時