ウチとアンタと、キミの言の葉8 (ページ8)

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第282話ページ8

ほんで学園祭が近くなればウチの周りは浮き足立ってくる

そこはウチの周りもしっかりと高校生という時間を楽しんでいる事が窺える

フロイド「小エビちゃん、学祭の期間寮の貸し出ししてるの？

寝泊まりの料金支払ってもらえば良いのに」

監督生「学園長からの直々のお願いなので良いんです

それにVDCで1位になればその賞金はオンボロ寮の手当てに使って良いってヴィル先輩が…」

フロイド「そーなんだ

ラウンジはいつ戻れる？」

監督生「そうですね…学祭が終われば」

ふとどこかでそない話を聞く

フロイドが誰か女の子に向けて話をしている姿や

何やこの学園にも青春なんてもんがあるんやろかなんて思う

『…って…ウチの学園男子校なんと違うんの？

女の子おるやん、そんなんで大丈夫なん？』

自分とは違う女の子がこの学園に紛れてると知って、その女の子をウチで少し心配したりする

だけど女の子はどこか芯が強い所がありそうで、あのフロイドに怖がる訳でもなく普通に会話ができてるんやからウチの気にする事とも違うやろ思てスルーする

『…ちゅーか、ウチが抜けとる分しっかり補填しとるんね

そこはウチの事構わんで働かせればええんに』

会話の内容から、ウチがラウンジを抜けた分その女の子がウチの身代わりになっている事を知る

そしてウチは世界から縁を切られていて、他の誰かの生きる世界にウチが何の縁があって存在しているのか分からないで世界が回っとるような状況や

『…まぁ元からウチはこの世界の人間ではないんやけどね

でも、戻る所もないんに残酷やんな』

ウチはホンマにここに生きる意味はあるのか

そない答えのない問いかけにウチで興じる

『…言うても仕方ないか

ウチには消える未来以外あらんねやから』

きっと「次」の用意された皆には「次」に繋がるように日常を紡ぐ事ができる資格がある

ウチはそれがない

ただ自分の消失を受け入れて、「次」のある者に道を譲って消えるだけ

『…綺麗なままウチは終われるかな

終わる時はきっとウチは我儘になるよ、ウチかて1人で死ぬんは嫌やもん、ホンマは』

そない言うて、次の託された未来のある若者達に次を託す準備をウチなりに整えていた