ウチとアンタと、キミの言の葉8 (ページ50)

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第324話ページ50

ジェイドside

イデア「…本当に探しているの？

犯罪に発展するからやめろって止められなかった？」

アズール「方法があるのなら無知のままでいるのは釈然としないんです

実行に移すかどうかは別として、手法を知るのも魔法士を目指す僕達としては必要になる可能性を秘めているでしょう？」

イデア「…アズール氏達はやりそうだから学園長も止めたんだと思うけど…

拙者の生まれた嘆きの島では割と有名な話だよ、死者に対する敬意があるから誰もやろうとはしないけど」

ジェイド「分かっているのなら伺っても？」

イデア「…要はね、媒介を作るの

肉体がないなら中身のない肉体だけを用意する、そこに無理矢理魂を流し込めばそれで終わり

聞けば簡単に聞こえるかもしれないけど、実際には融合が起こらずに人の肉も中身も同時に消えるのが一般的」

フロイド「…！！」

イデア「縁(えにし)って言うのは肉体と中身、あるいはドナーとアクセプターが双方の波長を一致させるから成り立つの

DNAで言うなら完全に合致してないと双方の縁(えにし)が刻まれない、それが人工的に後付けで作り上げるのが不可能な事は目に見えるでしょ？」

ジェイド「…」

イデア「だけど奇跡的にドナーとアクセプターが本来ちぐはぐになるはずなのに縁(えにし)を刻んで生きる場合がある

…所謂それがキメラとか、あるいは悪霊とか悪魔とか呼ばれるあまり良い印象を持たれない生命体だね」

アズール「…！」

イデア「だから学園長は止めたんだと思うよ

人工的な悪霊とか害獣の産出は禁じ手だから」

アズール「…なら、どうしたら良いんですか？」

イデア「…だけどまぁ確かに1個だけ可能性がある事があるよ」

フロイド「…！それって何？」

イデア「ヒッ…

…えぇと、所謂「運命共同体」に一瞬だけなるの」

フロイド「…？」

イデア「要は肉体と中身を一致させる事ができないのは、その当事者が自分を見失って変化したのが原因

だからそれを元に戻せる「仲介人」を一時的に準備するんだよ

でもその仲介人は2人の魂を同時に肉体に一時的に生かす事になるから負荷が大きいし、犯罪にはならないけどグレーゾーンだからあまり良くはない手法だよ」

やめてね、などと言われて、でも現実的な手法だとも思える僕達は、なら異世界へ飛び抜ける方法を見つけなければならないとある意味原点に戻る事になっていました