ウチとアンタと、キミの言の葉8 (ページ43)

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第317話ページ43

猫はじっと鏡を見て、ある時に鏡に向けて手を翳す

簓「…！」

そうすると鏡はぽっかり穴を開けたまま、破片のひび割れがなくなって繋がりよる

ホンマに鏡が再生しているような奇跡につい目を奪われていく

猫「ニャオ(繋がった)」

簓「…！？」

猫「ニャーオ(鏡は無事に繋がった

後は鍵を使って行くだけだよ、嵌め込めばワンダーランドに行ける)」

そう言われて、半分信じられないような奇跡につい俺の方がポカンとしてまう

何が起こっているのか分かるのに、突然猫の言葉が理解できなくなったような感覚がしている

猫「…ここから先はお前にとっても現実ニャ」

簓「！？」

猫「猫が人語を話しても別に良いじゃニャいの？

ワンダーランドは皆自由にやってる楽園ニャ」

簓「…お、おう…？」

猫「すっとぼけてる暇はあまりニャいぞ

鍵を使って行くんだニャ、大丈夫、初めのうちから変な所には飛ばニャいようにできてるから」

簓「…」

猫「多分狭間にまずは突き落とされるのがセオリーだろうニャぁ

狭間からお前さんの求めている縁(えにし)の名を呼び起こして、後は良いタイミングで行けば良いだけだニャ

んー…けどちょいとうっかりタイミングをミスるとお兄ちゃんも危険な目に遭うかもニャぁ…

信じるか信じないかは好きにして良いけど、僕の言ったスリーコールで狭間から縁の名を呼んでそのタイミングでダイブすれば無事傷一つなく行けるかもしれニャいよ、どうする？」

簓「…あまりよう分からんけど、タイミングは猫ちゃんが測ってくれる言う事か？」

猫「狭間からニンゲンは普通ワンダーランドの景色を覗けはしニャいんだ

外にいて鏡の中を俯瞰してる僕にはできるぞい」

簓「…ほんなら頼んでもええか？

行った後ならどうにでもなる」

猫「良いぞう！そうこなくっちゃ！

ほら、嵌め込め！Bon Voyage！」

猫にそない煽られて、俺は自分が持っていた黒曜石を鏡に嵌め込んだ

そして次の世界で俺は－－－－