ウチとアンタと、キミの言の葉8 (ページ41)

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第315話ページ41

猫「ニャーオ(そもそも僕達生命は「生きていたい」と願うから生きる生き物だ

生きるも死ぬも元来なら自分の勝手に決める事ができる、実に単純で分かりやすい機構で成り立っている)」

簓「…」

猫「ニャ(だけどニンゲンは過去とか未来とか色々難しい事考えて、それでも「思い」なんてものを抱えて生きていく

僕達は野生の本能だけで気の赴くままに生きるだけ、でもニンゲンはそんな事ができない

変だよね)」

簓「…」

猫「ニャ(だけどそのニンゲンの「思い」がニンゲンの元来の「命」だ

脈打っている心臓がニンゲンを生かすんじゃない、ニンゲンが心臓を生かしているのさ)」

簓「…！」

猫「ニャオ(そのAが自分の心臓貫いて生かしてきたのには理由があっても良いじゃない？)」

猫にそない事言われて諭されて、少し冷静な思考を取り戻していく

Aが生まれてから今まで生きてきた原因

それが俺であれ、他の何者であれ、あいつが今の今までを「生きた」という事が変えられる事はない

始まって、繋がりを築く事ができた命は皆全部奇跡の連続

そしてあいつは確かにこの世界に存在して、そして未来を確立する可能性はある

それを見殺しにして行くのが俺にとっての「正しさ」かと言えば当然違う

簓「…せやな

ものっそい基本的な所を言うんやったらそうやよ、だけど俺にだってな…」

猫「ニャオ(生きていれば野望は何度でも抱けるよ

叶えられる願いはいくらでも生きた時間が解決する

だけど今はそれどころじゃないでしょ、生きて明日を夢見なきゃ

ほら、ワンダーランドへ行く気はあるのかい？)」

簓「…」

猫「ニャオ(行くなら希望を抱いて

ワンダーランドに「負のエネルギー」は基本厳禁だよ、笑って楽しくやるのが醍醐味な世界だからね！)」

簓「…せやな

5分だけ待ってもろてもええ？少し自分と整理つけたる」

猫「ニャー(5分だけだよー

僕だって暇じゃないんだから)」

猫は笑って言っているように見えて、俺も今の気持ちを整えて笑えるように自分の中で覚悟を決めて挑む事にしていた