第311話 ページ37
簓「…ほんならハナから俺を利用する気でいたって言う事なん?」
ナオ「…そう言うのならきっとそういう事になる
だけど、「時間」に私達は逆らえないの」
簓「…!?」
ナオ「死ぬ者を追う事ができないように、失った時間は取り戻す事はできない
でも流れ行く時間の中に、必ず2つ以上の選択肢がある分岐点はある
その分岐点を今まで踏んできたから今が存在しているのであって、分岐点を違う方向に進んでいれば今と同じ時空は作られない」
簓「…」
ナオ「「鏡」はそれを体現しているものだと私は思う
他の選択を受け入れていれば自分は鏡に映し出したみたいに、まるで反対の自分を生きる可能性もあった
ともすれば初めから自分が生まれない世の中があった事を肯定しなければいけないのかもしれない」
簓「…まさか」
ナオ「鏡の置いてある地点はAさんにとっての「分岐点」だと思う
終わりのある地点が鏡の置かれた場所なら、残る答えは1つだって思うの
…ごめん、鏡の場所は猫に聞いた
お婆ちゃんは猫と話ができる特殊な言語を習っていた記憶があって、私も猫とは会話ができるの」
そない言われて、ナオちゃんの言葉を俺で信じる事に決める
ナオちゃんに悪性があるんやのうて、ナオちゃんにもナオちゃんの考えがあるだけで、それが俺にどうこうやって言うんは違うって分かるから
それにナオちゃんに言われた事で俺は1個今まで行った覚えのないある地点を見つけ出す
簓「…家…
俺とAが生まれた場所…」
ナオ「…時間は残されている限り少ない
時間がどれだけずれているのかは分からないけど、お婆ちゃんの話を聞く感じ2人が同時に世界に存続できる時間は奇跡に近い一瞬
その一瞬を逃せば手遅れになる」
簓「…!」
ナオ「だけど貴方がいなくなれば意味もない
死なないで、猫に行くタイミングは聞いてみると良いと思う
あの子達は私よりも多くの事が見えているから」
そない言われて、俺はナオちゃんに感謝と今宵の別れの言葉を告げる
簓「…今までおおきに
悪う言うてごめんな」
ナオ「…」
簓「後は俺に任しときや、絶対にナオちゃんのお婆ちゃんも、Aも全員救うで」
ナオ「…今まで巻き込んでごめん
でも、期待してるよ
…「英雄」さん」
簓「ほな、俺は行くな
今度は一緒に笑て会おうな!」
そう言うて、俺はナオちゃんと離れて別れて行った
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咲樹(プロフ) - まさかの監督生と出身同じで軽く運命感じてます!これからも投稿頑張ってください! (2021年12月2日 12時) (レス) @page29 id: b53a17c756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年8月30日 7時