ウチとアンタと、キミの言の葉8 (ページ4)

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第278話ページ4

『…ウチがホンマに死ぬんかはウチにも分からんで

もしかするとウチと世界の縁(えにし)言うんが刻まれて生き延びるやもしれへんし』

ジェイド「その時はその時で良いんです

もしそうなった場合は再雇用して馬車馬の如く働いていただくだけですから」

『…それはそれで嫌やな

ほんなら漂っとる方がマシやもしれんわ』

フロイド「今俺ら真面目な話してるんだからふざけないで」

『…ごめん』

そないやり取りを交わして、「ではそういう事ですので」言われてウチもVIPルームを出る

生きている間のウチにいつ死ぬんかも自分がどう死ぬのかも分からん

ただ生きている間には自分が死ぬ想像をできるというだけの事で

『…ウチは次どうやって死ぬんやろ

誰かのためでもなければ、きっとウチは静かに死ぬんやろね』

死に方を考えるのは生きる事を考えるのに近いってウチは思う

だって、「死」っていう目標に向けて生きているウチが努力をする事もある意味ではウチの人生やん？

『…誰かに看取られて消えたいやとか、そない願いは抱かんな

1人でゆっくり、猫と一緒に眠りたい』

ウチの理想とする死に方はきっと、普通の人間とは違う

自然豊かな大地で、花とか緑に囲まれて眠るようにして消えていきたい

ほんでウチの近くには猫がいて、猫と眠りこける気でいたら猫だけが目を覚ます

ウチだけは眠ったまま眠りから覚める事はない

そういう1つの情景(シーン)を浮かべては、そんな風に死ねたらええななんてまた考える

『お姫様になりたいなんて思わんけど、これだとまるでウチがお姫様になるみたいやな』

そない冗句をウチ1人に聞かせて、ウチはまた寮の部屋に向けて歩く

寮の部屋に帰ればウチの気に入っている寮に据え置かれた鏡がある

『鏡にはウチが映るんに、ホンマに消えるんかいな』

自分の運命をあまり信じられなくてそう呟いては、まぁそれは後で運命が決める事やってウチに聞かせて、ウチはポジティブな思いのまま眠りの床につく

『…きっと明日もウチは生きて、またウチの人生を旅して回るだけやよ

死ぬまではそない暗い事考えんでええわな、死ぬまで生きてみぃへんとそない遠い未来の事なんて分からんねやから』

そう言って、ウチはまた明日も世界が同じように回る事に期待して眠りに落ちていた