第302話 ページ28
ここからしばらく監督生side
『…座り
お茶とかいる?』
監督生「あ、いえ、お気遣いなく…」
先輩は2人きりになると、ニコニコと人当たりの良い笑顔を浮かべて親切に話してくれる
悪い噂が立つ理由がないはずのない人の良さそのものが形になったような大人の対応をしている先輩に私は少しの緊張感を抱く
『ほんで?ウチと何の話がしたいん?
ウチも今の若い子の話とかはそないついて行かれへんよ、聞いとるかは知らんけどウチは22のおばちゃんでな…』
監督生「…私っ!篠原優(シノハラユウ)って言います!
皆からはユウって呼ばれてて…」
『…おん?』
監督生「あのっ!初めましての相手にはまず礼儀正しく自己紹介からが良いかなと思って…
えっと…年齢は16で今は高校一年生で…それから…」
『…ふふっ』
先輩は笑って、私のカチコチになっている状況を大人の余裕で許容してくれる
私の方は気が小さくなっていって、どうしたら良いか分からないのに、大人っていうのはやっぱりすごいよなとどこかで思う
『ええよ、ゆっくりで』
監督生「…ッ…すみません、あまりこう畏まっちゃうとどう話をしたら良いか分からなくて….」
『緊張しいなんは根が真面目な証拠やんな
ええよ、ウチで緊張する事ないで
近所のおばちゃんに話しかけとる気でウチに緊張せぇへんと話してみぃ』
監督生「先輩は、人と話すの苦手じゃないんですか…?」
『苦手やない言えば嘘になるんけど、話せぇへんと何も分からんでおるだけやからなぁ
そこは緊張せんわ』
監督生「…」
『ところでその話ぶり、ユウちゃんひょっとして日本人なん?
名前が篠原言うんは馴染みがあるわ、ここらで聞く名前とちゃう』
監督生「え…?」
『聞いとるかは知らんけどウチの出身は日本や言うこことは違う世界なんよ
名前はホンマは白膠木A、今は逆になってサシャ・ヌルデや呼ばれとるけど本名はこっちが正しいんね』
何となく先輩の本当の姿を見るのは自分だけである気がして、心も気もだんだん許していく自分がいる
監督生「…ッ…そうなんですっ!
私も日本出身で、それで先輩と一度話がしてみたいと思って…!
聞いてもらえませんか?」
『…おー、ええで
えらい元気になったなぁ』
私は「通じ合う」一瞬を掴めて今先輩と「一つの気持ちになっている」予感がして、それに笑って勇気を出して話を続ける事にしていた
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲樹(プロフ) - まさかの監督生と出身同じで軽く運命感じてます!これからも投稿頑張ってください! (2021年12月2日 12時) (レス) @page29 id: b53a17c756 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2021年8月30日 7時