第49話 ページ2
学校、自分の家、どこでも自分は自分の意見を口には出さずに自分の内側で抱える子供になった
だから周りからは「何を考えているか分からない」と言われ、より気味悪がられる
母も父もそんな私が気味悪くて、だんだん私に冷たい両親に変わっていった
母「何か言いなさいよ!
私のご飯に不満がある訳?」
『…』
何も言っていないのに私が何か文句を言っているように周りは私を酷く扱う
そしてそんな事を言われたら、余計に自分の意見は言えないままでいる
どんどんそれがエスカレートしていって、ある時私は笑顔以外の自分の持ち物を全て失った
父「…リズ?」
『…』
父「…リズ、聴こえているか?」
反応を返して自分の思っていないように受け止められて事が進めば、私も親も望んでいない結果が返る
だから何にも反応せず、自分はただ黙って笑って何もないかのようにごく自然に振る舞う
そんな人形同然の私は、両親からだんだん心配されるようになる
父「…リズ、何か言え
お前の事が何でも良いから聞きたい」
『…』
父「おい、リズ…」
両親の手には負えないと判断をしたのか、学校の先生にも両親は相談する
先生「…家でもお話をしない子なんですか?
学校でも1人でいる事が多くて…」
母「え…?」
先生「真面目に授業を受けている様子は何度も自分が教える立場として知っています
でもお宅の娘さんは、どうも他の子供達とコミュニケーションをうまく取れていないみたいで…」
両親がそれに何を思ったのかは私には理解に追いつけない
でもその話があってすぐに両親の自分に対する態度は変わった
多分、コミュニケーションをうまく取れないのは自分達が忙しくしているせいで子供が基本的な人付き合いを知らないんだと判断した故ではないだろうか
そういう事ともきっと本音を言うなら話は違うのだろうけど、両親はだんだん私を一番に考えるように時間の使い方を工夫するように努力をし始めていた
父「…リズ、困った事があるなら俺が相談に乗ってやるから言うんだぞ
母さんもお前の事心配してるから、黙ってばかりでいないで自分の事しっかり伝えるんだぞ」
そんな両親の優しさを知っていても、それに応えられる事のない私は自分が一番に嫌いでいる子供になっていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年12月1日 19時