キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ38)

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第131話ページ38

アオイの実家には当然父方の実家と母方の実家がある

その母方の実家はアオイの母さんに親切で自分の子育ての色々をガキにも継承している、よくできた「おばあちゃん」と「おじいちゃん」のいる家庭だった

そんなアオイの実家はアオイの姉ちゃんが熱を出して倒れたら当然母の味方をして自分の孫の坊ちゃんを自分の家に預かる

ちなみにアオイの姉ちゃんは昔から身体の弱い女で、熱を出す事も多いし学校を休む事も結構な頻度な脆弱で生きるのにそもそも苦労しているような女の子だったそうだ

反面身体に関して殊丈夫で何の問題もないアオイは言ってみれば「健康優良児」として無条件に「良い子」として育てられる

まぁ家庭に関して言えば何も非の打ち所がない恵まれた環境にいると言って良い訳で

でも結局の所どっちかっていうとアオイがおばあちゃんっ子になっていったのは、その姉ちゃんがアオイを家から追い出しちまう性質を持ち合わせていた事が原因とも言える

だがまぁでもそれはある意味で仕方のない事だし、論点はそこではない

子供の葵「…」

アオイは自分でも認めているが内向的でよく人見知りをするガキだったそうだ

それは今も健在で多少なり生きている性質ではあるが、その当時自分の祖父母にそれが発揮されて慣れない自分の祖父母の家で緊張して物も言えないおぼっちゃま子に見られる性質のあるガキだったって訳だ

今でこそそれが本物のおぼっちゃまになっちまってる訳だが、そんなガキの頃のおぼっちゃまは自分で祖父母と立ち向かう手法なんてガキな訳だし当然知らない

子供の葵「…？」

慣れない環境に連れて来られちまったアオイは、そんなバックグラウンドも原因で、ある日普段見慣れない黒くて自分より身長の高い大きな化け物に巡り会っちまう

それが今なら「ピアノ」ってすぐに分かるだろうが、当時自分の家にピアノがないアオイは生まれて初めてピアノにその日巡り会う訳だ

子供の葵「…」

ガキっつーのは知識に飢えた好奇心の権化みたいな生き物だし、アオイも多分例外に漏れず自分の見慣れないその怪物に興味を抱いたんだろう

子供の葵「…！」

そして自分の手で触れたその瞬間に、「自分が持って生まれたもの」にようやく自分で気付く事になる