第129話 ページ36
ここから少しの間ダニエル視点注意
−−−−
まず俺はドイツの音楽家の家庭に生まれた
俺の父さんはチェロを、母さんはコントラバスを弾いてるような音楽家の家庭の生まれで、ガキが2人生まれりゃヴァイオリンとヴィオラをガキに当て嵌めちまうような、そういう家庭で俺は生まれ育った
音楽家になる事に誰もが抵抗も疑問も覚えないような出生でいるのが俺だ
『…え、おっちゃんご兄弟おるん?』
ダニエル「…あぁ、俺には妹がいてね
これまた俺と張り合う有名なヴァイオリンの奏者だよ、あいつも今は世界を羽ばたいてる音楽家だ」
『…へー、おっちゃんお兄ちゃんやったんや
それに音楽一家なんね、生まれた瞬間からもう音楽一色って事やんな』
ダニエル「そういう事
んで、比較として俺の物語を言ったが、戻ってこいつの話になる
こいつは全くその逆だ」
俺が音楽一家で「なるべくしてなった音楽家」であるなら、アオイは全くそれと正反対な男
金持ちのボンボンに生まれた訳とも違う、日本なんていう音楽についてはあまり耳にしない国で生まれて、何故そんな天才に生まれたのか誰もが疑問に思える「凡人」の家庭から生まれたのが「アオイ・ユウキ」として世界で名の知られる天才ピアニストだ
「なるべくしてなった」訳ではない、「誰かによってそういう風にされた」のが正解として限りなく近い、そういう風に人生音楽によって「作られてしまった」男の話
起こってる事は俺と大体同じだが、俺と全く違う人生を歩んでる男の苦悩とこれまでに起こる出来事の話を今から俺の語りで聞かせてやる
『…なんや面白そうな語りで入るな
センセは普通の家庭で育ったん?』
ダニエル「途中まではね」
アオイが何故天才と呼ばれるか
その秘密は後で詳しく聞かせるとして、どうして俺とこいつが運命の巡り合わせで出会って、今もなおこうして縁を築いているのか、その深くの話をする事にしよう
何せ、こいつの話は俺以外多分誰にもできねぇから
『…え、そない自信があるん?』
ダニエル「あるね
こいつの親御さんより詳しい自信がある」
『え…?』
ダニエル「…あのな、音楽の縁の深い家に生まれていないと音楽が原因で人は離れちまうのさ
そういう物語がこいつの人生の中にあるんだ
この話は暗くはないが明るくもない話だから、その気で聞いてくれ」
そんなアオイの物語を知る、俺だから聞かせてやれる物語は今ここで始まる−−−−
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年10月17日 18時