キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ30)

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第124話ページ30

さっきも言うたけどその日はテスト期間でウチら学生は比較的早帰りをする日

ウチも例外に漏れず、1人家に帰って面白くもない1人の時間をうまく繋ぐつもりで部活動のない日をつまらないって顔して門をくぐり抜けようとしていた

そない頃合いに偶然センセの驚きのような声を耳に聞いて、「センセがいるんや」っていう直感でその方向をウチで見た

？「…ちょっとやつれたか？

アオイが日本で音楽の教員やってるって聞いたから、うまくいってるか様子見に来てやったよ

この後の予定は？」

葵「…何でお前にいちいち知らせる必要が…」

この時センセに声をかけていたんはウチが知らない世界の住人

今でこそ知ってるけど、その時は日本にはなかなか見受けられない外国人のようなその男にウチで違和感を覚えた

その人は男で、男の割には少し髪が長くて髪を結っている、センセより若干老け顔に見える片目が黒い眼帯で覆われたどこか治安の悪い感じがする男性

その男性は笑っていてセンセは顔色は変えないけど何だか嫌そうな顔でその笑顔の男と取り合っていた

誰だか知らんけどそんな見た目から入ると「怖い」が先に来るような男にウチで「？(疑問符)」を抱いて側からその様子を伺い知ろうとする

？「俺のヴィーナスちゃんがお前と会いたいって朝から言ってるからさ

あ、そういや’Sophia’に仲間が増えるぞ

トウトに音大出身のフルートの演奏家がいるらしい、そいつが俺達と音楽やりたいって連絡入れてきてさ」

葵「…また厄介で癖の強いフルート演奏家がいるものだな

それに一応言っておくならお前のヴィオラが話すはずはない」

？「ヴィオラが話したって良いだろ？

それに、お前さんだって「音が掴める」感覚はあるはずだぜ、それとこれとは似たようなもんさ」

葵「…お前と俺では違う感覚を持っていると思うが」

？「まぁ俺が会いたいんだから良いじゃねぇか

お前さんが心配だからな

ほれ、飯行くから車乗りな」

『…ッ…待って！』

ウチで事情は分からんけど、何となくその男は止めとかないとあかん気がしてウチで声をかける

無知のウチはまたここで新たな出会いを経験する

ウチが知らない音楽の世界には、そこに住んでる箱庭の住人がたくさんおるってそない常識をウチで突きつけられる瞬間にウチで巡り会う

『…おっちゃん、誰？』

？「…お嬢さんも誰だ？」

キョトンとしてはるその治安の悪そうな顔の男にウチでその日取り入っていた