キミとお前と、俺の見ている世界3 (ページ29)

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第123話ページ29

そんで、そんなやり取りを交わしたある日からウチらの前にセンセは顔を見せてくれるようになった

ウチが呼ばないと来ないんは変わらずの事やけど、やる時は皆にちゃんとした指導をしてくれた

センセの側は指導家をやっている気ではないんやろけど、センセとウチらの立場で言うんねやったら師弟関係のようなものになれてたとは思う

『…？』

けどある時ウチで違和感を実感する

センセはウチらに向き合う時、音楽のセンセらしくピアノとか声でうまく表現してウチらを確実に導いてくれている

他人事を他人行儀にしてはる人間の癖して、案外面倒見が良い人柄にウチで不躾に違和感と同時にありがたみは感じた

その事は別にどうでもええし気にする事とも違うんねやけど、何だか「教職員」っていう立ち位置が変に思える違和感があった

だってセンセは定演を1人自分の力で開けるだけの実力がある人間や

音楽の世界で食べるのにどれくらい気苦労が存在しているかはウチでそこまで理解してへんけど、世界から認められる天才が何故こない公立の高校でセンセなんかやっとるんやろって変な違和感にウチはある時「そういえば」って振り返るような感性で違和感を感じる

『…？』

そしてそない変な違和感はだんだんウチに真実を見抜くための何か独特の魔法をかけていく

冬に入る前、だいたい10月の半ばの定期試験の前で部活が一旦停止する頃

その頃はその後の文化祭で吹奏楽部の発表をやるからそれに向けた練習をしていて、ウチらもテストが終わったらそれに向けてまた気持ちを準備するつもりで一旦部活動から離れてテスト期間に集中してる頃や

当然ウチらは音楽と離れてセンセを捕まえる気持ちも一旦どっかに置いたそない隙のような時間に

偶然、ウチは「結城葵」っちゅー人間の真髄、あるいはその人が本来いるべき世界の片鱗を掴む出来事にウチで巡り会う

葵「…！…何でお前がここに…」

？「…アオイ、元気？久しぶりだな」

そんな2人の人間の邂逅にウチで巡り会って、また新たにウチの図書室には「結城葵」についての知識が蓄えられていく－－－－