第116話 ページ22
ほんで結果としてウチらでやったこのミーティングには意味がしっかりあって、ウチらもウチらの音の変化を身に沁みて実感していた
女生徒1「…！なんか全然違う…」
男生徒1「なんつーか、今までの俺らって「俺らの自分のパートを演奏している」で皆止まってたよな
合奏やったら勝手に纏りが入っていくものだって思ってたけど、それは違うって感じがしている」
加悦「…せやね
なんか今、私「皆で演奏してる」って感じで音を聴けるようになった
なんか、一個のものを皆で完成に近付けているんやなって実感して吹けた気する…」
女生徒2「ねぇ、朝皆個人練やるのは学校の距離遠い子もおるから仕方ないけど、午後は合わせを皆でやらん？
個人の練習はそこでの気付きから自分に足りへんもの補うようにしてくのがええんと違う？」
女生徒3「だけど、初めての譜面の時とかは皆個人で譜読みした方がええやん
ウチは個人練も大切にした方がええ思うけど…」
加悦「皆ではじめての曲をこれから練習していく前には、皆でミーティングを開く事にしようかなって思います！
これからどうするのが自分達に正解か、まず皆で意識を共有しておくべきだって思うんです」
女生徒3「…！」
加悦「なので皆で合わせをやるかは別として、音楽室へ来たら皆で一回顔を合わせる事にはなるって思うんです…」
男生徒2「…なんか、集まりを敢えてやるって言われると少し緊張してまうな
それに何やろ、面倒やし少し恥ずかしい感じがするわ」
『何でや？』
男生徒2「…！？」
『同じ部におるんに緊張する理由ある？
同じ穴で暮らしとるんやったら皆同じ穴の住人で仲間やんな
なんぼも照れる事も恥ずかしがる事もないで』
男生徒2「…」
意識の改革で何かが変わるなんて、そない綺麗事が通用するのが世の中の道理とは違うってウチも分かってる
でも綺麗事を突き通すといずれその正義は真に変わる瞬間ってのは存在するもんや
男生徒2「…俺女は正直苦手なんやよ
楽器奏でるんは好きでも、女の子って俺理解できへんし…」
女生徒4「それなら、コミュニケーションの能力を培う良い機会だって思って、もっとコミュニケーションを取る練習の仕方に工夫を入れてみない？
多分相手を理解すれば音にも良い影響出るよ」
皆で積極的になって、その日から実験と振り返りを続けるようなウチらは、まさに「部活動」って呼ぶのに相応しい活動的な雰囲気に明るく変わっていっていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユウ | 作成日時：2021年10月17日 18時
