キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ6)

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第51話ページ6

フロイドside

フロイド「…何急いでんだろうね

何かあったんだろーけど、説明してくれねーと全然こっちが分かんねーじゃん」

ジェイド「…突然人が変わってしまったように僕達を無視して1人自分の世界に篭りっきりになってしまいましたね

…いえ、彼女もまたこちらでの生活がしっかりあると言う事なのでしょうけど…」

アズール「…存外忙しい身の上なのかもしれませんね」

フロイド「そーいう感じとも少し違くね？」

茎ワカメはついさっきまで俺らと同じ場所で同じ視点で話していたはずなのに、何かふと思い出したみたいに俺らの事完全無視で勝手に自分の世界で一人歩きを始めた

何が起こってるか全然ついて行けない俺らは普通に飯食って茎ワカメの事待ってたけど、その茎ワカメが突然「帰る」って言うから気になっちゃって仕方ない

茎ワカメについて知らない事が色々あるのは仕方ねーし半分諦めてる所もあるけど、俺らの知らない世界の中に茎ワカメがいるって片鱗を掴める気がして、「知りたい」っていう何となくの気持ちが生まれる

ていうか茎ワカメも中途半端にするのがいけなくね？

知りたいなら追って知りに行くしかきっと残ってる道はねーんだよね？

フロイド「俺、茎ワカメの事追っかけても良い？」

アズール「…！…お前も突然ですね

また彼女に厄介を入れるのですか？流石に彼女の私生活の中に踏み込み過ぎてしまうのも如何なものかと思いますが？」

フロイド「違うし

茎ワカメにお礼しておかないとダメじゃん？

一応メシ奢ってもらっちゃったし」

ジェイド「…！おや、フロイド

礼儀がなっているのですね」

フロイド「…ま、それだけじゃねーけど

ジェイドもきっと分かるでしょ？」

俺の考えてる事がジェイドにも分かっているのか、ジェイドまで悪戯な顔で笑う

ジェイド「フロイド、期待してますよ」

アズール「…追って何をする気でいるかは不明ですが、彼女に危害を加えてお前が不利益とならないように気をつける事ですね」

フロイド「そんなヘマしねーし

茎ワカメちっせーからすぐに追いつけるよねぇ」

俺は悪役(ヴィラン)の顔でジェイドとアズールに笑いかけて、頭と視線は店の外に出た茎ワカメに自分の焦点(フォーカス)を集中させる

フロイド「行ってくるぅ」

アズール「…お気をつけて」

見送りの言葉を聞いて、俺は異世界の夜の街を陸で使い慣れた俺の足を使って駆け抜けていた