キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ47)

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第91話ページ47

センセに、っていうと少し違うのかもしれない

ウチが抱いた違和感は「現状」という人とは違う視点でものを言った時の違和感やったから

確かにセンセはやり方は大人で、音楽の授業では普通にウチらに音楽教えて、聞いてる相手にはしっかり授業やってるけど聞かない相手には何も言わんで放置していく

ほんで、悪い噂が立っていようが他人行儀を貫いて深く気にしない

揶揄われようが舐められようが本人は無視して通る

ほんで普通に評価は一丁前に下して、誰も贔屓はしない

多分それは正しいしある意味教職員として1番に真理を貫いとるんやけど、それが確実に嫌がられるもんやって言うんはウチだって分かる

けど一番に疑問に思える事に、その割に本人を本気で嫌う者や楯突く学生は1人も出現した試しがなかった

『…』

ウチもある程度似た感性は持ってるから、センセの側の心理状況は分かる気はする

でもウチらの側－－要は学生側が本気で怒らない理由があまりよう分かっていなかった

ならウチが怒っとるかって言うとそれも違うけど、1人は嫌に思って怒ってもええんと違うかなんて思いこそした

だけど、それは学生側の立場にある弱みとかもあるやろし、皆もそこはある意味で大人になって黙って受け流してるんやろかとどっちにも偏見を抱くウチは真ん中(中立)の側の立ち位置で俯瞰して考えていた

『…ウチでセンセと対等に渡り合えればええんに

なんか、違和感をウチで掴めるからそれを知りたいで』

そない独り言を漏らす7月の中旬、ウチの世界は少しだけ回る