キミとお前と、俺の見ている世界2 (ページ11)

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第56話ページ11

フロイドside

－－店にて－－

ジェイド「…フロイド、お帰りなさい」

アズール「無事送り届けられました？」

フロイド「うん

茎ワカメがちっせーからパルクールで送ったよ

茎ワカメが可哀想だし形も大人に戻してやった」

ジェイド「おや…フロイドは優しいのですね」

フロイド「まぁ、それだけじゃねーんだけど」

そー言ってニコッて一回して、でもその後アズールがこんな事言うから俺もちょっと茎ワカメに悪い事したかもなって少し反省する

アズール「…彼女が置いて行った金額ですが」

フロイド「うん？」

アズール「この店の物価で言うのならあと10枚は同じものを食べられるという事でした

余分にお金を置いて行っているのですよ、僕達に必要ないくらいに」

茎ワカメちゃん、俺らに気遣ってるのか焦ってたからかは知らねーけど余分にお金俺らに分けてくれたんだって

そんなの俺らもこの世界の事知らねーんだから仕方ねーんだけど、そう言われると俺らが対等じゃない感じがして複雑

フロイド「…茎ワカメ、しっかりしてんね」

ジェイド「えぇ、フロイドは一体何を？」

俺はそんな事とは知らなかったし普通に微妙な気分になって、でも後からやった事を色々言っても仕方ねーのは分かってるし一応伝える

フロイド「…茎ワカメに鏡当てたの

前錬金術の時にやったアレ」

アズール「…？…あぁ、心を映し出す鏡ですか？」

フロイド「そ、マジカルミラー」

茎ワカメが俺と近い距離でしがみついてる間、茎ワカメの目を盗んで俺は茎ワカメの背中に鏡を当てていた

鏡は魔法で少し改造してあって、鏡に存在を移す事でそいつの中身が見えるって代物

茎ワカメから中身を抜いたら茎ワカメが可哀想だし、だったら転写して持ち帰ったら良いんじゃん？って思いつきでやった少しの悪戯心の恩恵

フロイド「…俺なんか悪い事したみてーでやだ」

ジェイド「おやおや、フロイドは優しいのですね」

フロイド「…茎ワカメに借り作っておいた癖に茎ワカメから俺がいらない分搾取したみたいで嫌じゃん」

アズール「…まぁ鏡に写した時点で現実に起きている事は搾取とは異なりますし、現金を不要に置いて行った件についても彼女の側が説明しない事にも非があります

彼女の心理を紐解いた後に対価を考えるのも手段として良いのでは？」

フロイド「…そだね」

そー言って俺らお店にお金払って、海に向かってこの世界をまた歩いていた