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第138話 ページ45

アズールside


アズール「…では貴女にコンサルタントの職種を勧めたのはどのような方ですか?

ご家族?それともご友人で?」


『…せやね、それでいうと何にも当て嵌まらんわな

「他人」やっていうんは事実なんやけど』


フロイド「どゆ事?」


『…ウチにも関係性は分からんねん

ただの近所の兄ちゃんくらいのものや思てくれればええで』


ジェイド「ほう?自分の将来を話す事ができる程度に親密な関係だったという事ですか?」


『…せやね

それは否定せんでええかな』


アズール「…」


何を言っているのかは分からない代わりに、「言いたい事は伝わる」


多分関係性に特別名前はついていないものの心は許せるような知人がいるという解釈で言葉を受け止める必要があると言えるのだろう


その「誰か」がどこの誰であれ僕には関係ないが、彼女にはそういう気の許せる人物が近くにいたという事だけは察しがつく


アズール「…ではその方に言われてコンサルタントになって、貴女はそれで納得いってるのですか?」


『結局はウチが自分で選んでる道やから

その選択肢を選んだのがウチで、選択肢を示したんが「その人」なだけやよ

納得いかへん事なんてウチは進んでやらんよ』


アズール「…」


彼女との会話を解釈するのに時間がかかる


いえ、彼女の言葉は実は複雑に聞こえるようで、実際の所は「ストレートで余計な事は言わない」のだ


だからかえって何も事情の分からない受け手が聞くと訳が分からなくて真意に辿り着けず言葉に惑わされる


そして同時に、こっちは「彼女の言語」を理解するための「背景知識(バックグラウンド)」を持たないから理解に余計苦しめられる


アズール「…では貴女の周りの人間は?」


『…おん?』


アズール「貴女の仕事について、あるいは将来について当時は何か言われていたのですか?」


『…』


そう聞いてその答えを知って、僕は何故彼女が「こういう」人間なのか少しだけ片鱗を掴んでしまっていた

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作者名:ユウ | 作成日時:2021年8月8日 8時

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