第110話 ページ17
ラギー「…っつか、今日の体育大丈夫なんスか?」
『…?何で?』
ラギー「いえ、いつもほら、体力育成の時は休んでるみたいじゃないっスか」
『そら、ウチは空飛べんからなぁ』
ラギー「あ、成る程…?
…あの、それとこれとは別として平気なんスか?今日は」
『…?』
何の事やろ思いながら今日の授業はどうやらフリスビーみたいな競技をやるらしくて、ウチ魔法は使えへんねやけど普通に走ったり他にも色々どうにかして競技に参加したるつもりで心整えたった
魔法が使えんのに魔法の競技や言うんはズルやんな思うても、そない事この世界の知らん事やもんなっていい加減に流したりしながら
けどその事に敢えて触れられてるんやろか
『…何や、ウチが参加するんがそない鬱陶しいんの?
それやったら今からでも見学にしてもらうで?』
ラギー「…!あ、いえ、問題ないなら良いんです」
『…』
ラギー「えっと…なら手加減してやる方が良いっスか?
一応女と男の差ですから、ほら、万が一怪我でもすると…」
『…何も気にせんでええよ』
ラギー「えっ…?」
『ウチはここでは「男」やねん、体力差がどうのなんか言ってられんわ
やる時はやる、それだけの事やろ?』
ラギー「…」
ウチがそのままの思いを言えば、耳の生えている兄ちゃんは微妙にびっくりしてるみたいな目でウチを見つめはる
ラギー「あの…身体しんどくなったりしないんスか?」
『…おん?』
ラギー「いや…男に色々とついて行くのは大変でしょ?」
そない事言われて、ウチは何の事を言いたいんや思て微妙に顔を歪ませる
こういうんは相手が何か本音で言いたい事を隠してるって、ウチは何となく自分の悪い癖やとかウチの日常から見抜く事が習慣的に身に付いてるんよ
『…何が言いたいんかは知らんけど、そない事言わんでまずはウチの事を見てはったら?』
ラギー「…は?」
『色々言うんは好き勝手にしてええ
けどな、ウチは兄ちゃんが思っている程ヤワと違うわ
ウチは体育は得意なんよ』
そう言うと小さな声でこない声が返ってくる
ラギー「…こっちは気を遣ってやってるって言うのに…」
その声にウチは微妙に顔を顰めて、この兄ちゃんの勝手な思い違いを説いたるかって思て、静かに自分なりの考えと次に自分が出す行動を決めていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年8月8日 8時