ウチとアンタと、キミの言の葉3 (ページ16)

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第109話ページ16

『…？』

ラギー「あ、いたいた！

君がヌルデ・サシャさんっスよね？

俺ラギー・ブッチっていうサバナクローの1年なんっスよ」

たまたま飛行術の授業が突然の雨で中止になって、体育館での体力育成の授業に変わってウチも普通の体育の授業や思て参加する気でいたら、今まで見た事のない誰かに声をかけられた

耳が頭から生えてる、今まで見た事のない類の生き物や

『…おー

なぁ、その耳どないなってるん？』

ラギー「え、初見でその話題？

てかその距離感？」

『…？何でウチ今突っ込まれとるんの？』

ラギー「あ、いや…」

ウチの今の思いのままを言葉にすれば、何やその初めて巡り会う兄ちゃんは妙にびっくりしてはるみたいな口でそう言う

ラギー「えっと…獣人を見るのは初めてっスか？」

『…？獣人？』

ラギー「…あ、異世界には獣人はいねぇって事なんスね

耳がついてる種族なんて俺らサバナクローじゃ珍しくも何ともないっスから」

『へぇ、そうなん？

ねぇ、その耳モフモフってしてええ？』

ラギー「えっ？」

『何や、柔らかそうで触ったらきっと気持ちええやろ

なぁ、あかん？』

ラギー「えっ…」

微妙に引いてる兄ちゃんの態度からそれが「嫌なんやろな」言う事は分かってる

でも好奇心は猫も殺すっていう言葉があるやん？

ウチも気になる事は追ってみたい言う気持ち自体相応に持ち合わせとるんよ

ちゅーかこの世界に来てから、色々な「初めまして」が多いから好奇心も抑えられんで何匹の猫をウチは一体殺してしまったんやろってちょいと思う

ラギー「えっと…授業は授業ですから今はダメっス」

『ほんなら課外ならええんか？

あまりよう違いが分からんね』

ラギー「いや…そういう訳ではないんスけど…」

『…まぁええわ

2人組の相手探しとるからほなまたな』

ラギー「…は…？」

『兄ちゃんも探してるんやないんの？

はよ探さんと相手いなくなってまうよ？』

そう言えば兄ちゃんはびっくりして、そしてやがてこう答える

ラギー「…いえ、アンタと組もうと思って敢えて近づいたんスけど…」

『…？そうなん？』

そして何や微妙な雰囲気の漂う中、ウチとその兄ちゃんで2人組を組んで授業に臨んだ