ウチとアンタと、キミの言の葉3 (ページ14)

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第107話ページ14

－－side T.W－－

翌朝－－

『…ッ…いった…！！』

ウチは目覚めるのと同時に、左の耳からのぬるりとした感覚に顔を歪める

昨日そう言えば髪を切って、どない流れでそうなったんかも覚えてへんけど、左耳にファーストピアスを入れたんやっけ

フロイドが安全ピンを片手にウチの耳に容赦なく針を立てた所まで覚えとる

『…なんて、多分いらん事ウチが言うとったせいなんやろね

あまりよう覚えてへんけど…』

たまに何でウチの言葉がその結果をもたらす事に繋がるか意味不明になる事がある

でもそのうちの全部がウチの言葉が原因で生じるものやって事も同時に頭では分こてるから、ウチも自分の責任やって事で結果として流しとる

それが良い結果を招くのか悪い結果を招くのかは、その時のウチの心が勝手に感じる事やって他人事のように流してるんもウチの少し悪い癖ではあるんやけど

『いったたた…血ぃ出とるやん』

にしてもピアス開ける兄ちゃんらはこない思いしながら耳に穴開けるんやろか

好奇心で耳に穴を開ける事実を受け入れた昨日の自分に、「何アンタはんは余計な事しとるんや」と自分で苦言を呈する

寮生「…！？お前、耳から血が…」

『…知っとるよ

昨日耳に穴開けてるんや、慣れるまでしばらくこの調子やろ』

寮生「…！」

『…血の匂いが嫌なんやったらしばらく野宿でもして部屋離れるで

嫌なんやろ？耳から血ぃ流すルームメイトがおるんは』

そう言えばルームメイトの兄ちゃんは厳しい顔をウチに向ける

寮生「…それは嫌か嫌でないかで言えば嫌だろ

けどその事でお前に文句を言うつもりもない」

『…おん？』

寮生「耳に穴を開ける行為そのものは「個人の自己責任」だ

そのお前の「個人の好き勝手」に文句を言う程俺も腐った考えしてない」

『…』

なんちゅーか、前から思ってたんやけどこの世界は「少し変わった事を言う子が多い」世界やね

そして皆割と「他人行儀」や

個人の事は個人、他人に関しては深く追求しない

それが割と「やりやすい」思う反面で、何だか少しの寂寥感を抱く

何で抱くんかはウチもよう分からんねやけど

『…そんならしばらくはウチはキミに迷惑かけるで』

寮生「俺は気にしていない

それよりも、血の匂いに敏感な他の種族に気を付けろ」

『…警告、おおきにな』

その「他の種族」言うもんと初めて巡り会うのが今日やって事を知らんで、その時のウチはルームメイトの兄ちゃんに笑てた