第78話 ページ33
『めっちゃ美味かったで
ご馳走様でした』
色々手をつけさせてもろて、自分がもういらん思た所で手を止める
こない量用意してもろて残すんは気が引けるんやけど、ウチにもキャパっちゅーもんがあるから限界ギリギリまではフードファイトしとったで
フロイド「え、もう良いの?
1週間分は食ってなくね?」
『そな1週間食べてへんからって1週間分食べな戻らんのともちゃうやろ
一食分で胃袋は限界や』
フロイド「ジェイドなら1週間分食べると思うよ?」
『…そら逆にすごいな思うで』
ジェイド「お恥ずかしい話ですが、貴女の食べっぷりが潔くて僕も少しお腹が空いて来てしまいましたね」
食事を終えてそない会話してると、ウチに料理くれた兄ちゃんはやがてウチをじっと見る
アズール「…」
『…?…あ、せやった、対価やろ?
この通りウチはお金も持ってへんでこの身一つしか差し出せるもんないんやけど、何差し出したらええ?
眼球か、あるいは腎臓か、それでなければ…髪とかかいな?』
ウチはそれがさっき言うてた対価の事を言う目なんやろ思てそない話しかけたら、兄ちゃんは怪訝な顔でウチを見つめてこう言う
アズール「…貴女は本当に気に食わない方です」
『…おん?』
アズール「何故自らの無力さを自慢して、自らが不利益を被る真似をするのです?
自覚しているかは不明ですが、その姿勢は不愉快です」
『…』
アズール「だからといって、貴女は「弱い」という事実を振り翳して武器に変えている訳でもない
どうせなら「自分は弱い生き物だ」という事を自らで利用して、得をするために他人に影響を及ぼす真似をすればこちらとしても叩き甲斐があると言えるのに
どうにもできる事のない、非常に取り付きづらい方だ」
『…』
アズール「…故に貴女と僕では仲が良くなれる気がしてきません
僕は貴女と仲良くなんてなりませんから
ここで貴女に食事を提供したのは、僕の「慈悲の心」であって、「貴女のためを思って」ではありませんので誤解をしないように」
そう言って、兄ちゃんは眼鏡の縁を手で押さえていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年7月31日 13時