第68話 ページ23
簓side
簓「…Aを俺に殺せ、言うんか?」
零「自分の言いたい事を自分の言葉で伝えるべきなんじゃねぇの?って言いたいんだよ
そこに「相手を傷付けるから」「相手が自分のせいで不幸になるから」なんていう無駄な善意なんざこの状況下においていらねぇ
盧笙じゃねぇけど、自分の信念を曲げずにその相手と向き合うだけの「自分の強い意思」をストレートに相手にぶつけるのが最善解になるんじゃねぇかって思う」
どう転ぶかはその後の嬢ちゃんの気持ち次第だろ、と零はあっさりと俺に伝える
その通りと言えばその通りなんやろう思うけど、でもAを嫌ったり否定するだけの理由が俺の中に見当たる事もまるでない
要因もない戦いが無駄に当たる事を俺もよう分こてる
零「まぁ今のお前さんにはきっと難しいんだろうな
だが少しは嬢ちゃんの気持ちに向き合って見るべきなんじゃねぇの?
見逃すべきでないサインはきっと、本当なら1番近くにいるお前さんが1番知ってるべきなんだろうからよ」
そう言われて、こうなっている要因が俺の中にある言う事だけはよう分かって、何をどうしたらええんやって頭をモヤモヤさせる
盧「…俺もその零の正論は認める
けどマイクでAに攻撃しても互いの因縁が深まるだけや思うで
言葉は単に自分の意思を伝える道具やけど、それを使うたらただの武器やねん、ピストルと一緒で無駄に傷付けるだけの道具になってまう」
零「でもその嬢ちゃんは簓に「倒される」事を祈ってる悪役(ヴィラン)を自分で買って出てるんだぜ?
それに今までもそういう「傷付ける」っていう理由で真意を伝える事を回避してきたからツケが回ってきてるんじゃねぇの?
互いに一回剥き出しの感情ぶつけ合って戦って、互いにボロボロになっても絆を確かめ合う事が嬢ちゃんには必要じゃねぇかって思うけど」
盧「…」
零の言いたい事が盧笙にも刺さってんのか、盧笙は黙ってまう
零「…まぁどのみち今の簓の言葉じゃ嬢ちゃんには突き刺さらねぇかもな
いらない優しさなんてもんはかなぐり捨てて、鋭い鋭利な刃で嬢ちゃんの心臓突き刺すつもりで嬢ちゃんの事色々自分で整理してみろ」
それだけ言うて、零は取り出したヒプノシスマイクを再び胸ポケットに入れていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年7月31日 13時