ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ22)

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第67話ページ22

簓side

簓「…」

零「俺はある意味で飴村乱数は「正義を貫いている」と思うよ

俺もきっと冷静な思考で、そうやる事を選んだ

否定してやるべき所は否定して、守るべき大事な所は守ってやる

嬢ちゃんに向かって「正しい」事をしているって俺はその部分は認める」

零が飴村乱数を味方する言い回しをして、俺も微妙に嫌な気持ちが芽生える

零「…だがこれが全ての物事における最善の解答だとは俺も思っちゃいねぇ

自分が悪いって事にして何事もなかった事にしちまうってのは単なる逃げだ

根底にある問題から目を背けても、残るのは後味の悪さだけだ

後味の悪い事を正義だと言える奴はこの世のどこにもいねぇだろ？」

簓「…なら、何をどうすればええんや」

零「何が嬢ちゃんの思想を歪めてるかは俺も知らねぇ

それどころか、この世のどこにも本当の意味で嬢ちゃんの事を理解できてる奴なんかきっといねぇ

お前さんもきっと例外じゃねぇよ、簓」

言われて、それはきっと真理なんやろな思て苦い気持ちが芽生える

零「だからと言って、今まで誰にも悟らせまいとしてきた嬢ちゃんの事を誰かが理解できるとは俺も思っていねぇ

そういう意味では嬢ちゃんの一人勝ちが今の現状だ

言っちまえば、嬢ちゃんが自分1人で勝ち逃げした事実とお前さんは戦わにゃならねぇ事になる」

簓「…」

零「さて、どこから切り崩していけば良いんだろうねぇ」

盧「…そんなん全部今更やん

眠ってるAに今更何言うても聞こえへん、どないしたろ思た所で俺らにできる事なんてAが帰って来るのを待つ以外にあらんのとちゃう？」

零「そうでもないんじゃねぇの？

諦めちまったらそこで終わりだ、言葉なんて聞こえない奴には叩き込むまでだろ？」

そう言うと零は胸のポケットから「あの武器」を取り出す

零「言葉ってのは聞こえるようにしなけりゃ届かねぇ

だからお前さんが「自分の言葉で」伝えてやりゃ良いんじゃねぇの？

…聞こえる形でな」

そう言ってヒプノシスマイクを握っている零は、さながら真の悪役のようにすら見えるような気がしていた