ウチとアンタと、キミの言の葉2 (ページ20)

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第65話ページ20

零side

－－乱数との電話にて－－

乱「…白膠木の妹は、自分があいつら(中王区)の人形に変わるって話を聞いても、「それで良い」「むしろそうして」って言ってた

きっと、それがどういう意味かちゃんと分かっていたんだと思う

白膠木の敵になるって事だよ、って言っても「分かってる」って、意思を曲げないでずっと不敵な笑みを浮かべて話したりしててさ」

咳き込みながら飴村乱数はその時の状況を俺に説明する

簓の妹の人物像までは不明だが、調べた感じ「割と普通の人生を辿ってきている、1人の女として生まれた人間」という事自体は知っていて、それなりに信念や正義もある存在であるはずだと信じて疑わないつもりは俺の中にあった

乱「…倒して欲しいとも言ってた

自分はお兄ちゃんに倒されるのが、自分にとって最高の結末になるんだって少し悲しそうに笑って」

零「…！」

乱「だからいっそ願いを叶えてやるべきかって初めは思った

だけどその後に色々聞いて、その妹が悪いって訳じゃないって分かったから、こういう形に僕が落とし込んだの

僕にだって正義はある…ゴホッ、どっちにしろ死ぬのが変わらないなら、まだ後に色々と残せる方が僕だって自分が死ぬ事に意味を見出せるの」

零「…何を聞いたの？」

乱「…自分は白膠木を不幸にしたって

自分の言葉で白膠木の人生を変えたから、自分なんて消えれば良いって思って今まで生きていたって

だからお望み通り、僕の手で葬った

白膠木に倒されるよりも僕がこの手で葬ってやる方がその願いは早く叶うって僕も思ったから」

その言葉とその後に言われる言葉で、俺はその嬢ちゃんの心の在り方の純潔さに少し心動かされていた