もっと溺れちゃえばいいのに(桃)

15．ズットイッショ。 ページ15

さとみside.

さ「『ただいまー』」

家に帰る頃には彼女は元気になっていて、昨日までが嘘みたいだった。

否。

そう見せようとしてる。

バレてないと思ってんだろうなー…でも、少し眉が下がってる、しかも表情が固い。

靴を脱いだ彼女を抱き上げ、ソファに移動し、向かい合うように膝に座らせる。

『ん…？どうしたの？』

さ「…捨てないからな。」

肩口に顔を埋めながらそう呟くと、彼女は分かりやすく肩を揺らす。

『っ…』

さ「俺だけは捨てないから。ずうっと俺だけに頼ってよ。」

『さとみくん、だけ…？』

さ「あぁ、なんにもできなくていいからな。俺に頼ればなんでも大丈夫だから。な？」

『なんにもできなくていいの？』

あと1押し。

さ「そう、ずーっと俺に甘えてくっついてればいいから。それが普通だから、な？」

『そっかぁ、分かった。普通なんだもんね。ずっといっしょ。』

彼女の目は希望に満ち溢れて、どろどろとした感情が見えた気がした。

これで、俺のもの。

ずっと、ずーっと、俺だけのもの。

あぁ…嬉しい。嬉しい…。



そうだ…閉じ込めてしまおう。

純粋なAが外なんて汚いとこ行ったら汚れちゃうからな。

メンバーとは会わせてあげよう。Aも仲がいいから。








これでずっと一緒だ。

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