第44話 ページ46
語り部side
心優しい彼は母親も元チームメイトも見捨てる事ができなかった
そんな彼がヤクザの道に進んだのは両親にその道へ進めさせられたからだ
父親は大量の借金と共に自害した
母親はそのせいで気が狂い、拓斗をヤクザに売った
その結果心優しい彼はヤクザなんて不似合いな性格なのに、その道を進む事しかできなかったのである
まだ若い彼は18という若さでその道に入り、22歳で若頭になる
自分を売った母親に恨みを覚えているのなら目にかけてあげなくても良いのに
でも彼の優しさは自分の運命を翻弄した母親さえも見殺しにしなかった
彼の人生はありとあらゆる「親」に翻弄されつつも、彼はこれまで「死にたい」と思いながら死ねなくて1人苦しんで生きていた
そんな彼は苦しみを覚える度に、何でも笑って誤魔化すようになっていた
だから笑みの裏に何が隠されているのか誰もが理解できなくなっていた
その笑顔が余計にあの日の出来事を最悪な結末にさせるとも知らずに−−−−
H歴5年初期、左馬刻は退紅からある報告を受ける
退「火貂園原組がウチの協力してる連中に手出してやがる」
左馬刻はその話を聞いて、拓斗に直接真相を聞きに行った
そして拓斗はいつもの笑顔でこう言っていたのだ
「知らなくて良い
これはこっちの話だから」
左馬刻はその言葉に不信感を覚えつつも、立場的に相手方の親分だから何も言えず、他の方法でその真相を知る
左馬刻が調べていた連中から、火貂園原組の親分が中王区に協力していると知らされたのだ
そしてその真相を裏付けるのが飴村乱数からの発言だった
乱「あいつは中王区に自分の母親いて、それダシにされて基本命令に逆らえないんだって
あいつは裏切り者だよ
あいつきっと、僕達呼び寄せて殺す気だ」
そして乱数の話が噂として元TDD全員の所に回るちょうどそのタイミングであのメールが送られてきた
そしてその出来事が彼に最悪な終わりを迎えさせる事になる−−−−
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年6月18日 9時