第2話 ページ7
盧笙side
『…広い家やね
むっちゃ綺麗に整頓しとるんや、ええね』
相変わらずAは昔と変わりない言の葉を紡いで、この9ヶ月の時間を忘れたみたいに「いつもと同じ自分」であり続ける
入院の間も弱音を絶対に言わないで自分の現状を受け入れて、自分が元に戻れるために必死にやると他人の手を借りずに1人で必死に努力を続けた
1人でやるより他に方法がない事であっても、支える他人を心配させまいと弱音を吐いたりしないこの子が俺は強いって思う
反面で時には弱音を言って自分の心を言ってくれればええのに、なんてどの立場でものを言うのか分からない意見を抱いたりして、俺は結局こいつをどうしたいんやろかと自分で疑問に思えてきたりする
盧「…お前、適当言うてるだけやろ」
『え？ちゃうよ
ホンマに綺麗な家はええなって思うで？』
こいつの言葉の意味は時につかえる事がある
でも本人に見えていて俺に見えていないものがあるだけだって分かるから、いつか同じ景色を見られたらええななんて思う
その「いつか」が実現すると分かるうちは、俺だって夢を見ていられる気がするから
簓「…Aちゃん、そんなに俺の家嫌？」
『片付けくらいしっかりしぃよ
ウチがなんぼ簓より時間あるって言うたって色々無理やんな』
簓「…ごめんって」
いつかこの男から、俺がこの妹を奪って良いのだろうかって疑問だってまだ抱えている
きっとAから見た世界は、俺が一番に映る世界な訳じゃなくて「何もかも自分の好きに思えるもので満たされている」って信じている自分がいて
その目に映るのが俺だけになれば良いなんて願うのは、何か間違えているんじゃないかって気がしていて
盧「…A」
『…？何？』
盧「…上がり」
『…それもせやね』
そうやって言えない言葉で満たされる世界は、綺麗な反面で毒だ
今まで通りでいられれば良いなんて所詮は逃げで、結局は俺の意見を通したいなんて狡賢い意見を自分で抱く
恋とは厄介で、なんて悪い心が働くものなのだろうか
簓「Aちゃん、ほな、これ見てみぃ
俺が置いてったペットボトルのオマケ！」
『人の家で何しとるんや
盧笙、ホンマこの男殴ってええよ
ウチでそれ許したる』
俺はこの兄妹2人きりで成り立つ世界がどこか羨ましくて、そんなのが俺とAの間に成り立つ世界が欲しいなんて1人で我儘な気持ちを抱いていた
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ユウ(プロフ) - 星猫さん» 星猫様、コメントありがとうございます！知ってるアニメは少し前のだと黒バス、Reborn、デュラララ‼︎、K、黒執事など、最近のだとヒプマイ、（アニメじゃないけど）ツイステなどです。見たいアニメは色々あれど追いつけてないのが実情です（すみません）。 (2021年9月25日 20時) (
レス) id: bc7f931f45 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月25日 19時) (レス) @page5 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月25日 19時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年9月19日 22時
