第43話 ページ48
盧笙side
盧「…?」
俺の仕事もひと段落して、Aに連絡を入れようとすれば繋がらない
携帯電話は電源が切れてでもいるのか、電子音の音声は単に通話に応じられないという連絡ではなくて「電源が入っていないか電波の繋がりにくい所にいる」という旨を伝える
盧「…電源くらい入れときや
簓と生活してる時も普段から電源入れてないん?」
Aの「こういう」所は俺も何となくで分かってはいたけど、当事者として実感してしまうとどうも複雑に思えて仕方がない
何となく、あいつは他人と不必要な連絡を取るような奴じゃないって勝手に俺は思ってる
というより、多分機械で連絡を入れるより、自分で会って目に見たものに感情を割くのが良いって言うのがあいつの感性だと言えるのだろう
事実俺も、連絡先を交換したとはいえAから連絡を入れられた試しは片手で数えられるほどしかない
盧「…俺もずっこいやり方して、それなのにこない事言うべきやないんやって思う
でも、少しは俺の気持ちに気付きよ…お前かて俺に「好きや」って言うたやん」
あの日Aが目を覚ました後、俺は情緒不安定な俺の欲に任せてポロッと出るように本音を言うた
好きやって初めて伝えて、言いたい事は全て伝えた気になった
でもあれが正解でもなければ、ズルをしている事を俺は知っている
そういう気持ちはしっかり自分の気を保っていられる時に、相手も自分の話を真剣に聞いてくれる時に言うもんやって知ってはいる
いるけど、あいつも真面目に話を聞いてくれてるのかいないのか分からないで、何だかいつもタイミングを掴めない
それに、Aだって形は何であれ俺に「好きだ」って言った
それを俺で打ち消してやれる程、俺は都合の良い人間でいるつもりもない
盧「…お前の「好き」と俺の「好き」が同じになるんには、何をどうしたらええんやろな」
そない冷めた言の葉を紡ぐと、ネガティブな感情に負ける
でもそれを深く気にせんと、普通に今自分がやるべき事を見出して、「あいつならきっと」と予測を立てる
悩みとは抱えるべきものではなくて、祓うものなんやろって実感する
盧「…あいつの会社に行ってみるか
まさか普通に残業してるなんて言う気やないやろな」
そない自分の良く知っているはずの誰かに、そない「普通の感性」とは違う意味での「信頼」を抱いて俺は高校を出ていた
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ユウ(プロフ) - 星猫さん» 星猫様、コメントありがとうございます!知ってるアニメは少し前のだと黒バス、Reborn、デュラララ‼︎、K、黒執事など、最近のだとヒプマイ、(アニメじゃないけど)ツイステなどです。見たいアニメは色々あれど追いつけてないのが実情です(すみません)。 (2021年9月25日 20時) (レス) id: bc7f931f45 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年9月25日 19時) (レス) @page5 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月25日 19時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2021年9月19日 22時