キミとお前と、俺の見ている世界

第33話 ページ38

フロイドside


フロイド「…茎ワカメのお兄ちゃんってベタちゃん先輩みたいな感じなの？

俺もっとそーいう感じじゃないって思ってた」


アズール「…今ならあの方の発言にも納得がいきます」


ジェイド「自分より人気だ、って彼女を言ったあの言葉ですか？」


アズール「えぇ」


分かんねー奴もいるだろうから俺らで説明入れるね


俺ら茎ワカメの兄貴に一回会った事があるんだよね


アザラシちゃんがオーバーブロッドして、学園が崩壊しかけたあの日、茎ワカメちゃんはアザラシちゃんを惹きつけて自分で盾になって死ににいく真似をした


その時にアザラシちゃんから茎ワカメちゃんの事引き離して、訳分かんない武器でアザラシちゃんをちっちゃくして茎ワカメちゃんの事を守ったのが茎ワカメちゃんの兄貴


それで、そいつが来たのもあって茎ワカメちゃんは元の世界に帰った


で、そいつが来た時茎ワカメちゃんの兄貴と俺達も少しだけは話してるんだよね


その時に聞いた話だと、茎ワカメちゃんの兄貴はどうやら小エビちゃん曰く「人を巧みな話術で引き寄せて相手の心を掴む」オワライゲイニンっていう仕事してるらしい


で、そいつの側も茎ワカメちゃんが帰る前にNRCの奴らに集られてるの見て「自分より人気者なんじゃないのか」って言ってたし、なんか元の世界では「そういう人間」って事で通ってるんだろうなって一応認識してた


けど実際の所がどうかなんて知らねーものは想像もできないし、今自分達で見て「なんかそーいう感じね」って真面目に掴めた感じしてる


フロイド「…ならさ、茎ワカメちゃんって有名人の親戚だったって訳？」


ジェイド「…周りの人間の様子からも、彼の人柄が世間一般に知れ渡って「人気者」と捉えられている事が窺えますね」


モニターを見ているのは俺らだけじゃなくて、そこら辺に歩いてる陸の人間も一緒


特にメスの人間なんてうるさくキャーキャーしていて、それだけで何となく人気者なんだろうなってのは分かる気がする


代わりに、俺らで追ってるオンナノコの影は1ミリも滲み出ていない


女1「わ、ぬるさらやん！

あのCMあたしも好き！」


女2「ねー！元気出る！」


アズール「…どうも彼女は「普通」には生きられない身分をしている事が窺えますね」


俺らで何となく茎ワカメちゃんの私生活に想像つけられる所もあって、今になって尚更茎ワカメって一体何者なんだろうって俺らで疑問に思えてきていた

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