キミとお前と、俺の見ている世界

第11話 ページ16

簓「…ほんなら俺今からAちゃんの私物持って来るで！」


『…ちょ、ウチの私物勝手に触らんといて』


簓「ええやん、Aちゃんかて私物自分で準備するんのめんどいやろ？」


『ウチの私物漁られる方が嫌やわ

ならウチで準備する』


盧「…どっちでもええけどお前達は互いの立場しっかり理解しい

簓はこない夜に出歩いてテレビ局関係の人間に捕まえらたら色々厄介やし、Aはよう分からん男にでも捕まったらあかんやろ

ほな、お互い様や、休戦しい」


簓「うっ…正論やな

盧笙やっぱすごいで」


『…簓はともかくウチは別にどうでもええよ

ほんならウチで家帰る、簓は車かなんか呼び』


盧「…お前が良くても俺が良うないわ、阿呆」


『…ちなみに盧笙の言うとる事が起きる可能性って何パーの確率？』


盧「屁理屈言うとるんと違う

この辺の治安があまり良うないのお前かて分こてるやろ」


『…被害受けたんは一回だけやで

今日がその日な訳と違うやん』


盧「それで俺らの知らん所で被害受けたんは一体どこのどいつや？」


『…ウチやんね

そない大事に捉えんで欲しいんやけど…』


盧「捉えるわ

お前はホンマに真面目に気にしぃよ」


『…めんご』


そないやり取り交わして、結論から言うんならどっちも今日は泊まらせてもらう事にしていた


簓は明日収録かなんかでこの家を早く出て行くらしい


ちなみにそのウチはと言うと明日から復職の予定


色々迷惑かけとると思うし、事情は何であれ仕事にウチで穴開けとるんは否めないやろから


ウチの会社、やりがいはあるんやけどしんどいからメンタル死んで辞めてく人間多いんや


せやから常に人手不足なんね


『…明日仕事終わったら荷物纏めて連絡入れるわ

少しの間宜しゅう』


盧「お前も根が真面目なんはええけど、少し真面目にやりすぎや

明日は事情言うて早く帰してもらい」


『…せやね』


その明日に少しだけ、この予定が狂う事になるとウチで知らずに


またこの物語はワンダーランドを世界に入れて、ウチらの常識を覆すようにゆっくり静かに廻り始めていた

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