第25話 ページ28
簓side
そしてAが入院して1週間が経った折に、突然左馬刻がやって来た
毎日の見舞いに来てるのは俺と盧笙の2人
零は来たり来なかったりで、神宮寺寂雷という例外を除いて他に見舞いに来る相手なんてAにはいなかった
簓「…！…左馬刻…」
だから左馬刻が来た時は少し驚いて、どう話してええんか分からんくなった
でもまるで時を戻しているように、かつて確かにあった距離を掴んで、存外俺らは普通に話をする事ができた
蟠りなんて初めからなかったみたいに、同じ道を進む事にならなくても過去に仲が良かった知り合いとしてまだ繋がっていられるんじゃないかってくらいの距離感は俺らの間に生まれていた
簓「…でもな…」
左馬刻が帰った後の病院で独り言ちる
盧笙とコンビ解散して、トウキョウに出て左馬刻と出会ってつるんでいた頃、Aは俺のいない家で1人しばらく生活していた
たまに左馬刻の妹の合歓ちゃんに会うて、Aは元気かな思て電話を何回かかけた事はある
その度に左馬刻の話をして、今日はこんな事があった、こんなおもろい話があるんやって話をすれば、Aは「いつか会うてみたいな」って返していた記憶がある
その時の願いを、今になって叶えた
簓「…そんなん、まるでお前がほんまにいなくなるみたいで嫌やん…」
俺はそれが複雑やった
左馬刻に会いとうないんとちゃうんけど、お前といられる時間が短くなっていくような気がして、それが嫌で怖いんや
だから、今日の再会は素直に嬉しいとは言われへん
簓「…左馬刻はええ奴なんよ
お前もいっぺん話してみぃ、あいつ口は悪いねんけど根はめっちゃ優しいんや」
そう言っているとだんだん堪えきれなくなっていく
簓「…ッ…逝かんといてや…ッ…」
まだ眠りから覚める事のない妹に、俺は縋り付いて泣いていた
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ユウ(プロフ) - どんさん» どん様、コメントありがとうございます。本日イメージイラストをアップロード致しました。概ねこのようなキャラデザインであると思っていただければ幸いです。 (2021年7月26日 21時) (
レス) id: 8279a81388 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年7月26日 7時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年7月24日 21時
