第15話 ページ18
左馬刻side
乱「お前が一番当事者として理解しているはずだよ
妹を奪われる苦しみも、妹が奪われた人間が抱く憎しみも」
左「…」
乱「だから白膠木に僕のせいだって伝えて、白膠木の近くにいてやってよ」
左「…テメェは何がしてぇんだ？
わざと俺らの事焚き付ける真似して、そうやって俺らがつまんねぇ思いしてるの見て楽しんでるのかよ」
乱「…違うよ」
すると乱数はやがてこう言う
乱「…仕方ないんだよ、僕だって逆らえない」
左「…？」
乱「逆らえば死ぬのは僕だ
僕を利用して、あいつらは手を汚さずに高みの見物で僕を嘲笑ってるんだ
本当に、ぶっ殺してやりたいくらい憎い」
左「…」
何が言いたいか半分も分からないが、その発言から乱数がこの行動に踏み切った理由が唯の私情や私利私欲ではない事が窺える
左「…ハッキリ言えや
俺に何の利益もねぇ事で俺がテメェのために動いてやる義理なんざねぇんだよ」
乱「…だろうね
だから言ってるんだよ、白膠木のためじゃなくて白膠木の妹のために行ってやれって」
乱数は再び声色を変えて今度は俺にこう伝える
乱「白膠木の妹、白膠木がお前と愚連隊率いて遊んでる時、1人で帰りを待っていたんだよ」
左「…？」
乱「お前が白膠木とつるんでなかったら、こんな事なんて起こらなかったのかもしれない」
左「…こっちに責任転嫁かよ」
乱「うーん…そうじゃないんだけど、まぁそうとも言えるのかな
でも僕は左馬刻が悪いなんて言ってない」
すると乱数は真面目な声色でこう言う
乱「僕達って言葉で世界を動かしていけるってやってる割に、言葉も気持ちも他人を信じる力も足りていないよね」
左「…？」
乱「だから左馬刻にお願いしてるんだよ
白膠木の足りないものが何なのか、左馬刻が見抜いて白膠木に拳で教えてやって
そんでさ、白膠木の妹も一緒に救ってやって」
左「…？」
何が言いたいかはハッキリしていないものの、乱数の言いたい事は汲み取れる気がして、こう問いかける
左「…要はあいつと蟠りを解けや、ってわざわざ俺に向けて言ってるつもりか？」
乱「そういう事
この言葉の意味がきっと、白膠木に会えば分かるはずだから」
乱数はそれだけ言うと「またね」だけ言って電話を一方的に切っていた
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ユウ(プロフ) - どんさん» どん様、コメントありがとうございます。本日イメージイラストをアップロード致しました。概ねこのようなキャラデザインであると思っていただければ幸いです。 (2021年7月26日 21時) (
レス) id: 8279a81388 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年7月26日 7時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年7月24日 21時
