VIII ページ8
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どんな人を探していたんだろう、と探し人のイメージを頭の中で膨らませながら、ほいほいと夕食を作るための食材をカゴに放り込んでいく。
冷やし中華でも食いに行くかと話していたお客さんが居たので、昼時から既に今晩の夕飯は冷やし中華に決まっていた。
「(マヨネーズ)」
黄色い容器に赤い蓋、みんなが知ってるあのキャラクターを封に印刷したマヨネーズ。半年前くらいまでは3本くらい冷蔵庫に入っていた気がする。でもなんだか、冷蔵庫を開けて入っていない時は悲しくなるので、家にまだあったかなどお構い無しに、いつのまにかそれはカゴに入っていた。
こういうところなんだろう、
「(未練タラタラだ)」
思えば彼のいる生活に慣れてしまってる自分がいた。彼がいることに違和感なんて感じなくなっていた。非日常を過ごし続けていれば、それはきっと日常になる。
それは、今の江戸と同じなんだろう。
侍の国と呼ばれていたのだって、私が寺子屋へ通っている時には消えていた。思えば、故郷にいた侍たちだって今は大した職についていない。剣だけを頼りに生きる道を歩んできた侍たちの夢は、魂は、全て異国の天人たちによって捻り潰された。跡形もなく、という訳ではなかったものの、進んだ技術と並外れた身体に私達が叶うはずもなかった。
こうやって、ぐるぐると考える頭も、子供の時とはまた違う発見に感動するのも、すべて大人になった証なんだろうか。形に見えない、証なんだろうか。
「(大人ってなんなんだろう)」
子供の頃、私はどんな大人を夢見て毎日を過ごしていたのだろうか。
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湯木(プロフ) - ゆうひさん» 返信有難うございます( ;; )本当の事ですよ!この小説の設定が私の性癖に刺さりすぎて辛いです.......季節の変わり目で風邪の引きやすい季節になってきているのでゆうひさんのお身体に負担がかからないぐらいで更新頑張ってください!応援してます! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 湯木さん» 飛んできてくれてありがとうございます~!!私が銀魂夢を書き始めた頃からお世話になってる愛しのお友達ちゃんです笑エモさを感じてくれてめちゃくちゃ嬉しいです~!!!!ワー!!本当のことならば幸せです… (2019年5月24日 0時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
湯木(プロフ) - 堕天使さんの所から飛んできました!堕天使さんの作品を読む前に題名が目に付いて後で読もうと思っていたのですがまさか堕天使さんのお友達だったとは!!ほんとにエモくて死にそうです.......。類は友を呼ぶって本当なんですね! (2019年5月24日 0時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうひ | 作成日時:2019年5月19日 23時