IX ページ9
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事実は小説よりも奇なり。
そんな言葉を学生の頃に誰かから聞いた。だが、実際にそれを学生の時に体験することは無かったのは確か。
だがこれは、
「(いる、十四郎が、いる。)」
テレビでやっている恋愛ドラマよりも奇妙な程の偶然だ。
ほんの1時間で放送が終了し、終わる頃にはまた違う話が問題となっている。なんてことは実際ありえないのだと初めて知った。知りたくもなかったが。
家に帰ろうと道を歩いている時に、私の部屋の電気がついているのが目に見えた。電気をつけたまま仕事へ行ってしまったのかと後悔したのだが、玄関の前にたった今。微かに香るタバコの匂いは、たしかに彼のものだった。それこそ、銘柄なんて覚えてもいないが抱きついた時に香るタバコの匂いとそっくりだ。
運命なのか、偶然なのか、それとも必然なのか。
どれかは分からないが、どれもあって欲しくはないものだ。
どうして今になって私のところへ訪れたのか分からないまま顔を合わせようとした。
その瞬間、
携帯がヴーっと繰り返し2回鳴った。
電話ではなくメール、誰からのものかも確認せずに荒々しく開いた。
成瀬のことをなると呼ぶ女友達は私くらいだ、と嬉しそうに話していたので、連絡先での登録はそうしていて、その名前が表示されたのに関しての驚きは一切なかった。
「……は?」
私が驚いたのは、内容であった。
それはなんとも突発的すぎて、心の準備とかの問題ではなく脳内処理にかかる時間の見越しがつかない。
私の彼氏がなるの勤め先に来てたよ、とどんな意図を込めてなのかは分からなかったが教えてくれた。
彼女の勤め先は、と思い出したその瞬間。
全ての点が線となって繋がった。
「…がーるずばぁ」
彼女の勤め先は、かぶき町ナンバーワンのガールズバーだったことを、このタイミングで思い出した。
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湯木(プロフ) - ゆうひさん» 返信有難うございます( ;; )本当の事ですよ!この小説の設定が私の性癖に刺さりすぎて辛いです.......季節の変わり目で風邪の引きやすい季節になってきているのでゆうひさんのお身体に負担がかからないぐらいで更新頑張ってください!応援してます! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 湯木さん» 飛んできてくれてありがとうございます~!!私が銀魂夢を書き始めた頃からお世話になってる愛しのお友達ちゃんです笑エモさを感じてくれてめちゃくちゃ嬉しいです~!!!!ワー!!本当のことならば幸せです… (2019年5月24日 0時) (レス) id: cee43a9737 (このIDを非表示/違反報告)
湯木(プロフ) - 堕天使さんの所から飛んできました!堕天使さんの作品を読む前に題名が目に付いて後で読もうと思っていたのですがまさか堕天使さんのお友達だったとは!!ほんとにエモくて死にそうです.......。類は友を呼ぶって本当なんですね! (2019年5月24日 0時) (レス) id: 8f94a810be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうひ | 作成日時:2019年5月19日 23時